切ないけど心温まる
タイトルからして切ない
タイトルが長いのでいつ恋と省略させてもらいます。まずもってこのタイトルからして切なさがにじみ出ていると思います。なんていうかタイトルと番宣の仕方がもう切なさを醸し出してますからね。タイトルを聞いただけじゃハッピーエンドで終わるのかすら怪しいものですよ。今までラブストーリー系でバッドエンドなんて見たことないからまさかここにきて初めてのバッドエンドのドラマなのかと思うとみる前からドキドキでした。
キャッチーなフレーズではあると思いますが、それにしてもちょっと悲しめなタイトルにしすぎたんじゃないかなと思っちゃうレベルにはやばいと思います。
もう始まる前から涙腺崩壊フラグがビンビンでしたよ。だから本編が始まる前はいつもいつ泣いても大丈夫なようにハンカチを用意してテレビの前でスタンバイしてました(笑)
斬新な出会い方
音と練に出会い方も斬新でしたね。友達が拾ってきた落とし物を代わりに渡しに行くとか人が良すぎますよね。私なら交番とかに預けて終わりですよ。しかも会社のトラックを走らせてまでってまじめ何だかなんなんだかわかりませんでしたよ。そして音と出会ってお互いにどこか気になるような感じでそのまま別れて・・・ってなったと思ったら二話目からもうすでに舞台が東京になっている!?北海道民だった私からしたらもう少し北海道続いてくれてもよかったのになーなんて思ったり。広い東京で練を探そうとする音にはびっくりしました。どんなに探したって名前も知らないし、連絡先だって知らないし、知っているのは引っ越し屋だっていうことだけ。この少ない情報で見つけるのは至難の業ですよ。
でもドラマだからそういう時に奇跡って起こっちゃうんですね。偶然見かけちゃうんですもん。ほんとよくできたシナリオだなって思っちゃいました。
様々な視点で繰り広げられる
なんてったって基本的には音の視点で進むんですけど、練の視点になったり、かと思ったら晴太や小夏だったり・・・視点がコロコロ変わるのがなかなか面白かったです。時間軸に沿ってくれてるのでタイムラグも生じないからスムーズに違和感なく見ることができました。それぞれが感じている想いやどんな状況にあるのかっていうのが手に取るようにわかりました。メインは音と練なのでほかのキャラの視点になることはそうそうなかったんですけど、晴太と小夏の2人の時もあってこの2人もどちらかというと準主役みたいな立ち位置だったんですかね。なんか木穂子があんまり出てきているイメージがなかったですね。練と一緒にいる時に出てくることはあっても彼女が一人で出てくるシーンはほとんどなかったように思います。だからこのドラマでは木穂子の存在感は薄いのかなーっていう印象を受けました。
震災の恐ろしさをドラマを通して再認識
ちょうど震災が落ち着いてからしばらくしてだったので、どんなものだったのか忘れかけていたところに盛り込んできていたので、どれだけ悲惨だったかっていうのがキャラの話と時々出てくる回想シーンで見ることができました。練のおじいちゃんのような人が少なからず当時もいたんだと思うと胸が痛くなりますね。震災が人に与える影響がどれほど強いものなのかっていうことを改めて再認識することができた貴重なドラマだと思います。ただドラマを展開するんじゃなくてそういうところでもメッセージを出しているんだと思ったらドラマって奥が深いというかなんというか・・・感慨深い気持ちになりました。きっとこのドラマを見るたびに震災の悲惨さを思い出すんでしょうけど、忘れないためには大事なんじゃないかなと思います。決して忘れていいことではないので、こういう形でも残るのは大切だと思います。
変わってしまった練
震災によって変わってしまったのはおじいちゃんだけではなかったんですね。しばらく出てこないと思ったらあの弱弱そうな練ではなくてまるで別人のような怖い顔をした練でした・・・。あんなに人が変わってしまうなんてどれだけのことがあったんだと心配になっちゃいました。だって髪型も全然違いましたもん。オールバックにしてスーツビシッと着てもはや誰ですか状態ですよ。
晴太も同じ職に就いてたし。きっとあらかた晴太が仕事を探してきたんだと思いますけどね。いくら何でも練が自分からそんな仕事に就くわけないですもん。練が一番いやだと思ってそうな仕事だっただけにショックでした・・・。でも話を聞いているとそれもやむを得ないことだったんだってわかって良かったんだかなんなんだかちょっと何とも言えない気持ちになりました。でも最終的にはいつもの練に戻ってくれたのでホッと一安心でした。戻らなかったらどうしようと思いましたよ。やっぱり練は優しくて物腰柔らかいからこその練だと思うんですよ。
揺れる音の気持ち
音は音で練がいなくなってから朝陽と付き合うようになってそれはそれで楽しそうな生活してますけど、やっぱりどこかで練への気持ちを忘れきれてないんですね。朝陽といても時折ふっと暗い影が落ちるのはきっと練のことを心配していたからだと思います。そりゃ心配になりますよね。突然音信不通になっちゃうんですから。それでも音が頑張っていられるのはそばで支えてくれる朝陽の存在が少なからずあったからなんでしょうね。朝陽といることで練への気持ちに蓋をして思い出さないようにしている様子がとても伝わってきました。朝陽のことも少なくともちゃんと好きにはなっていたと思います。ずっと一緒にいたからそりゃ多少なりとも恋愛感情が生まれてもおかしくないですもん。朝陽は音の気持ちにいつから気付いてたんでしょうね。自分の方に気持ちが向いていないと分かっててそれでもそばにいるってなかなかつらいと思います。私だったら耐えられません。でも朝陽はそれでも音がいつか自分の方を向いてくれると信じていたんでしょうね。音もそんな朝陽の想いに応えようとしていたんだけどそれが叶わなかったのは残念でしたね・・・。音は結局どうあっても練のことを忘れられなくて、再会して改めて練のことが好きなんだって再確認したから朝陽にちゃんと話してけじめをつけて。なんだかんだ言って朝陽は健気に音のこと待ってたんですよね。なんかそれが報われなかったのはほんとに悲しい。朝陽のことそれなりに好きだったので幸せになれなかったのは切ないしか言いようがないです。でもきっといつか違う女性と幸せになってくれることを願ってます。
最後はやっぱりハッピーエンド
あれだけ最初の方でバッドエンドを怪しんでましたが、無事ハッピーエンドを迎えることができて良かったです。まぁ、そうそう素直に終わらせてはくれないんけど・・・それでも音と練が無事結ばれたのは良かったです。そしてこのタイトルの意味がよく分かりました。これは悲しみの涙もありますが喜びや嬉しい涙も含まれての涙なんだと思います。だから決してバッドエンドのフラグを立てたタイトルではないということが分かってよかったです。
全部が等身大の話だからものすごく身近に感じられたし、みんなどこにでもいる普通の人たちだから余計に親近感を持ってみることができました。
話題も20代の人たち向けということで何気ない日常の中で起こりそうなことばかりなのでドラマみたいな話がどこかで起こるんじゃないかってちょっと期待しちゃいますね。
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