ARIA最高!
AQUAからのARIA
AQUAとしてはたった2冊しか漫画は存在していませんが、雑誌がかわり、ARIAとして長編作が作成されました。当初の絵柄は女の子たちの体型がなかなかリアル体型であること、絵柄が古いこと、登場する火星猫・ARIA社長がやたらでっかいことなどが取り上げられます。
ですが、設定はAQUAのころからしっかりと決まっていたのでしょう。ARIAを先に読んでしまっている方でもまったく問題なく楽しめます。むしろ2冊目の後半はARIAの小話があるのでARIA好きは読むべきかと。
面白い世界観
何故ベネチアを火星に移住して、そこで近未来的な生活をしているのか、想像もしないような不思議な世界観や、主人公・あかりの不思議な体験談、知能は人間と同じという大きな火星猫のARIA社長の可愛さなど見どころは豊富です。それと、別の視点が加わることで理解できる幅が広がる主人公のメールのやり取りという描き方も独特です。通常ならエピローグが流れてそれが説明、という流れが多いかと思いますが、あいちゃんという人物にメールを送るという設定にすることで、あかりもアクア(火星)に来るのは初めて、そしてこの世界を全く知らない私たちにもどんな世界なのかがわかるようになっています。ただし、AQUAの中ではメールの送り主、「あいちゃん」は誰なのかもわからない全く不明の登場人物です。
最後まで設定話などは別段語られることはありませんが、ほのぼのヒューマンドラマでありながら、時々考えさせられる「幸せとは何か」や、あかりたち(?)の成長を通じて時折感じるどことない切なさは、爽やかな風でありながら心に何かを引っ掛ける作品でもあります。
それでも、難しいことを考えずともさっくりと読めてしまう手軽さはAQUAならではの魅力なのではないかと考えます。
絵が綺麗!
さすがに初期のAQUAは、長編・長年を経ての特装版となったARIAよりは劣りますが、なんといっても天野こずえさんのイラストの綺麗さです。女性独特のイラストの綺麗さ、繊細さを残したまま、まるで男性誌かのような肉体美の女の子たち。そして、それらの狙ったようないやらしさは存在していないという素晴らしいバランス・センスを持っているため、手に取る人の性別を問うことがありません。
また、ストーリーも小難しいことを考えずとも見れるストーリーであるため、年代を問うこともありません。自由度が幅広く、ついつい手に取ってしまいたくなるイラストの綺麗さはAQUA・ARIAのみならず”天野こずえ”最大の武器とも言えるでしょう。
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