自然体で作られた佳作 - マイ・フレンド・メモリーの感想

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自然体で作られた佳作

4.54.5
映像
4.5
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
4.5
演出
4.5

目次

紆余曲折のこれまでなかったようなストーリー

殺人で服役中の父を持つ息子マックスは自閉症で、しかも少し知能が遅れているという設定です。母が父に殺されたという暗い過去を背負い、母方の祖父母の元でひっそりと生活をしている。

そんななか、隣に引っ越してきた難病に犯された少年を登場させ、物語が進行していきます。頭脳明晰なこの少年に読み書きを教わり、交流を重ねるうちに友情が芽生え、少年の導く騎士道精神で、不良グループをやっつけたり、困っている人を助けたりするような活動を見せはじめます。

やがて、服役中の父が仮釈放になり、マックスの前に現れ、連れて行かれる。連れて行かれたところは、以前に少年とマックスが不良少年たちから奪い返して届けた財布の持ち主宅だった、という局面を経て、その一件から、この家を洗い出した少年は単身マックスを助けに乗り込む。同様にマックスも危機一髪を勇気で父を押し倒し、乗り切ります。その後のお祝いのクリスマスパーティーの後、少年は密かに息を引き取り、落ち込むマックスですが、本を書くことで希望を見いだすというのが流れです。

こうやって展開を追うと、これまであったようななかったようなストーリーです。

はじまった瞬間からいい映画だとわかる映画

ただ、映画が始まった瞬間から、素晴らしい映画だろうとすぐにわかりました。そして、たぶん、基本的にポジティブでハッピーエンドな映画だろうということも前半の雰囲気でわかりました。果たして、思った通りでした。文句無しにいい映画でした。

この映画の勝利は、ほとんど役者の勝利だと言えます。主人公の二人の少年と祖父は淡々とした演技で演技しようとしていない、普通に振る舞おうとしている感があります。それから、もったいないぐらい出番の少ない役にジーナ・ローランズとシャロン・ストーンが出ていて、とても贅沢でかつ、スパイスとして効いていますね。

自然体っぽさを醸し出してくれて好感

基本的には、刺激的というようなストーリー展開ではないです。格言めいたことをちりばめ、ナレーションがあって、救ってくれる人があるというのは、ハリウッド・ヒューマン・ドラマの典型のようですが、少年達が勇気をふりしぼって「これまでしたことのないことをする」というのに私は心を惹かれたのかもしれないです。とにかく大上段に構えた映画でもないし、俗っぽいユーモアもなくて、それが自然体っぽさを醸し出していて心地よかったのかもしれません。

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