何だかちょっとリアルなSF - 土星マンションの感想

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土星マンション

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画力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
4.00
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何だかちょっとリアルなSF

4.04.0
画力
4.0
ストーリー
4.0
キャラクター
3.5
設定
4.0
演出
4.0

目次

地球を保護するってやっぱり人間は寄生虫なんですか?

と一瞬だけ思ってしまいました。地球全体が環境を保護する為の地域に指定されてしまって1人たりとも住めなくなっているせいで人間はみんな大気圏外の上空にある大きなマンションに住むことになってしまったんですね。すっごいお金かかることを始めたんだなーこの世界の人間達はと思ってしまいましたが。そこでこのマンガの主人公のミツという子が親も兄弟もいない中で独りで生きて行くというストーリーですので将来時代が進んでもいつまでも起こり得る人間の事情にも焦点をしっかりと合てているところが妙なリアルさを感じさせてくれました。岩岡ヒサエさんのこのマンガは文化庁メディア芸術祭マンガ部門で賞を取ったがゆえにマンガ書籍化されたという大変名誉なコースを辿っているのも注目をさせられる原因になりました。

居住しているスペースコロニーの窓ふきなんて

窓ふきは要するに掃除の仕事なのでわりと地味めのお仕事なのかなと思っていましたが周囲の環境がサイエンスフィクションしているだけで随分と夢のある職業に思ってしまいました。でも宇宙服を着て重力やら自然と闘いながらこなさなくてはいけないかなり危険な仕事なので生きる為に続けるのには相当な重荷になるんじゃないのかなあなどと思いましたがこの中学生のミツという男の子には父親の影を追わせられてしまう家族との繋がりを示す痕跡がたくさん垣間見れるお仕事なんですよね。どんな大変な仕事だって自分の中にある何かを追い求めるという個人的な理由があることだけでも十分に働き続けるという価値はあるのだということを教えてくれた作品でもあります。

このマンガの設定や内容も将来を予測しているのか

サイエンスフィクションの面白いところは将来を予知しているのか、それともやっぱりファンタジーなのかということを読者が判断したり考えたりするところにも1つあるんではないのかなあと思っているんですが、この高層階があるスペースコロニーマンションなんかもどうなんでしょうかね?孤児が家族以外の人間にお金のこととかを心配してもらったりなど人に常につきまとう心配事がある中で天井の低い世界で当たり前のように生まれてきた子供たち。草や木も国の持ち物なのでおいそれと摘んだりしては法律違反になって警察に呼ばれて罰金を取られてしまうんですよね。ただ、時代が進むにつれて自由になる部分とならない部分がかわっていく。そこはリアルに予測していると思います。

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