アイドルアニメじゃくくれない、最高にハマれるアニメ
これは、ただのアイドルアニメではない。
アイドルアニメといえば、憧れのアイドル目指して頑張ります☆が定番プロット。しかし、プリティーリズム・オーロラドリームは違った。私たち視聴者と同じ立場の主人公が、プリズムクイーンになってしまうのだから。
あいらはプリズムスターをテレビで観てはしゃぐ一般人であった。それが「私なんかがプリズムスターになるなんて無理…」「プリズムクイーンを目指す理由が私にはない…」と、様々な局面で悩みながらも最終的にトップに立つ。私たちが趣味でテレビを観るとき、自分がそのステージに立ちたいと考えながら観るわけではない。しかしもしそんなことが起きたら…と妄想することはあるだろう。まさにあいらは視聴者と同じ立場からスタートし成長していく。あいらのセリフにもあったように「みんなの夢が」あいらの夢になる。一般的なアイドルアニメはだいたい「既にキャラクターが夢を持っている」ものであり、ゆえにキャラはキャラとしてしか見れないことが多い。しかし、あいらは私たちである。だからこそ、あいらの一喜一憂に心打たれ、まるで自分が経験したかのように泣いたり笑ったりしてしまう、そういうアニメである。
朝の女児向けアニメとは思えない重量感。
もちろん友達とケンカして悩んだり、ショーで失敗して落ち込んだり、そういった普通の女児向けアニメ的な展開も多々ある。しかしプリティーリズム・オーロラドリームの神髄はそんな陳腐な(とまでは言わないが)ものではない。この物語の主人公は一応あいらなのだが、間違いなく中心にあるストーリーは失踪した母親の姿を追い続けるりずむの生涯。母親に会うために努力し、死の危険を冒したのにも関わらず、かなめに略奪される鬼畜展開。昼ドラにしても売れたのではないだろうか。
シリーズ一部作からさすがのカオス。
プリティーリズムシリーズもプリパラもカオスの権化みたいな作品だが、カオス度としてはプリパラと並ぶと言えよう。並べるなら、オーロラドリーム>プリパラ>ディアマイフューチャー>レインボーライブ、といった印象。プリパラは作られたカオスを感じる部分もあるが、プリティーリズム・オーロラドリームは真のカオスを感じる。
カオスの権化最強作の中でも最強にカオスの権化なキャラといえば、ジュンさんだろう。彼からは速水もこみちのMOCO’sキッチンと同じ匂いを感じる。さもそれが当たり前のことかのように追いオリーブオイル、紫タマネギ、多種類のスパイス。それと同様にして、ジュンさんは独自の感性で言葉を紡ぐ。たとえ理解できない人が大半だとしても、それが彼のジャスティス。洗練された花瓶は、どんな花を活けても輝かせる…。メイビー。
プリティーリズムでしか味わえない独特の世界観。
冷静に考えて氷上であんなに踊れるわけがないし、こけて座り込んでたら凍傷起こすし、ショー用のリンクがどこにでもありすぎだし、そもそもプリズムジャンプすれば観客に幻覚を見せられるなんてわけがわからない。第一話を観たときは爆笑してしまい、ギャグアニメだと思っていた。しかしどうしてだろう、気が付いたらどこかしこでいきなりライブが始まることにも、プリズムジャンプにも慣れていて、オーロラライジングの曲が流れるだけで泣きそうになる、そんな身体になっちゃうんですよね。プリティーリズムシリーズ&プリパラは私の人生だが、そのスタートとなったプリティーリズム・オーロラドリームには心から感謝すると共に、末永く一緒に歩んでいきたいと思う。
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