現代における必ずしも遠くはない恐怖の可能性 - コンテイジョンの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

現代における必ずしも遠くはない恐怖の可能性

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
3.5
演出
4.0

目次

化粧気のない女性キャストが恐ろしい

まず最初に感染源となるマットデイモン演じるミッチの妻、べスですが、演じているのがグイネス・パルトローです。この方の、体調を崩してからの生気のない顔が本当に怖いです。死亡後には検死解剖のため頭蓋骨を剥き出しにされたりなどで、もはやホラー映画なのかと勘違いしてしまいそうな恐ろしさでした。映画全体の絶望的な、原因のわからない病気関連の物語のつかみとしては完璧でした。ケイト・ウィンスレット演じる医師が自分の感染に気付いてからも患者を気遣い、そのまま倒れていく描写もとてもリアルで悲しく、恐ろしかったです。

パニック状態のアメリカの恐ろしさ

べスが救護の甲斐無く死亡し、べスのいたアメリカ中部から世界規模で病気が広がった後のパニックから娘を守ろうとするミッチの様子ですが、食料などの確保のために暴徒と化した民衆から、娘を守る方が病気から逃げるのよりも大変そうでした。日本で大震災があったときに、カトリーナを体験したアメリカ人たちが「暴動が起きないなんて信じられない」と言っていたのを思い出します。この映画のパニックは世界規模なので、そんな小さい範囲ではなく、世界がパニックというものが原因で徐々にしかし確実に崩壊する様子が非常に生々しく恐ろしかったです。ミッチにはたまたま病気に対して免疫があるので、自分に関するパニックなく娘を守るという使命を果たそうとしますが、自分に関する余裕がある分、彼の目に映る目の前の恐怖というものが伝わってきました。

病気の感染源の開示

自分の体にワクチンを打って実験し続ける医師達が、自分たちも感染したり誘拐されたり波乱なことがあった上にやっと有効なワクチンを開発し、病気は収束していきます。この映画の面白いなと思ったところは、やはり映画の最後の最後で、どうやってべスが感染したのかの経路を見せているところですね。香港で、感染源であるコウモリが豚舎の天井で果物を食べ、その果物のかけらを豚が食べ、その豚を調理した料理人が手を汚いエプロンで拭いただけでベスと握手。料理人の手ってそんなに汚いの・・と思うと同時に、やはり食事前にはきちんと手を洗わないと何が起こるか分からないなと強くおもいました。今回の件も、べスが握手のあとに殺菌石鹸で手を洗っていれば、世界的パニックにもならず、べスの浮気が最悪な形でミッチにバレることもなく、平和に過ごせていたんじゃないかなと思います。ただ手を洗わない料理人が客と握手するような店なので、時間の問題だったと思いますが。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

コンテイジョンが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ