フォークアートって知ってますか - モーゼスおばあさんの四季の感想

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モーゼスおばあさんの四季

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文章力
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フォークアートって知ってますか

4.04.0
文章力
3.5
ストーリー
3.5
キャラクター
4.5
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4.0
演出
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目次

モーゼスおばあさんの絵が素晴らしい

わたしは絵画鑑賞の趣味はないので、絵の展覧会に行っても、退屈でしかたがない。だから、絵本も苦手だけど、モーゼスおばあさんの絵は好きだ。映画のショーシャンクの空で仮釈放になったモーガン・フリーマンがティム・ロビンスとの約束の品を取りに行く、とてもきれいな場所の風景を思い出した。ニューヨーク州の田園風景を描いたものらしい。目で見た風景ではなく、心の中にある、昔の風景を描いたらしい、ポップで下手のような上手のような少し不思議な構図です。風になびく、洗濯ものと木の枝や少しシャガール似の人や動物がとても良いのです。。

モーゼスおばあさんは1961年に101歳で亡くなった農婦です

フォークアートとは、土地固有の文化から生まれた、実用的で装飾的なアートで農業や商工業の労働者によって生み出されたものらしい。モーゼスおばあさんは農家に生まれて、農家の主婦になりました。まるで赤毛のアンやパレアナの時代です。絵の中で農夫が牛にスキを引かせて畑を耕していて、アメリカにもこんな時代があったんだと当たり前のことに感心してしまった。モーゼスおばあさんの絵には、物語があって、この物語はわかりやすくて、伝わりやすい。80代で画家として、知られるようになり、101歳まで生きて「20世紀のアメリカでもっとも愛された画家のひとり」になったそうだ。そういった意味では、モーゼスおばあさんはもう少し日本で流行しててもよいと思うのだけど、意外と流行っていないのは、マスコミにたまたまのっていないせいでしょう、商品化されるようなこともないし、でも、この絵の幸福なポップさはいずれ、どこかで流行ると思っています。

およそ150年前の時代

絵の中の人はリンゴの木によじ登ったり、スケートをしたり、ソリで木を運んだりしている。絵を読むという意味では、何千年も前のアフリカの洞窟壁画と同じで、こちらは牛を狩ったりしている、人のやることは、何千年を経てもあまり変わらないものらしい、この絵の中の人の営みを観るとウィンドウズ10の更新が遅いとか、SNSで無視されたとか、そういうことであまり怒っても仕方ないことだなあと思えてくるので、カラーコピーして下敷きにはさんでおきたいと感じる。150年前のアメリカはコンビニもなくて、感染症が怖かったのだろうけど、今どきの日本みたいに社会全体が睡眠不足じゃなかったに違いない。

昔の人も忙しかった

「仕事はそれはそれはたくさんあります。とうもろこしは取り入れなければならないし、穀物は脱穀しなければならないし、」脱穀まで人力でやったことを思うとやはり農婦の仕事は体力だったことに気づかされます、わたしは会社員として働いていたので、仕事とはおおよそ時間を売ることだった。確かに仕事をしていたけれど、実際に何かを作ったかと聞かれるとよくわからない、だから自分の体で何かを生み出す単純さにわたしは憧れてしまいます。モーゼスおばあさんの絵が好きなのはそういう理由だろうと思うのです。

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