実はいちばん好きな映画を聞かれたらこれを答えている - クリムゾン・リバーの感想

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実はいちばん好きな映画を聞かれたらこれを答えている

4.54.5
映像
5.0
脚本
3.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

とにかくグロい

フランス映画ってなんでこんなにほの暗い映像ばっかりなんだろう…とろくにフランス映画を観たことも無いのに思ってしまう程度には、とにかく暗くて、グロイです。でもそこが好き。ストーリーとしては優生学至上主義な村で起こった復讐殺人を解決していくというサスペンス・ホラーかと思うのですが、全ての死体がグロい。ホラー嫌いの友人に勧めたらしばらく口をきいてくれませんでした。ただしそこが見どころかなとも思うんです。優生学なんて日本で生きてたら一生耳にすることも無かっただろう思想のほの暗さを醸し出していますよね。プロローグで死体を虫が這っていた時点でこれはがっつり殺されているぞと安心しました。優生学をただのオキレイな思想に留めない不穏な空気感が好きです。

とにかく走る

個人的にいちばん好きなシーンです。カーチェイスが無い代わりに、この作品はとにかく容疑者も走るしマックスも走ります。余談ですがマックス役のヴァンサン・カッセルほど”マックス”という名前が似合わない俳優もいないのではないでしょうか。気のせいですね。ジャン・レノは完全に”ピエール”で合ってます。犯人逃走の時マックスばっかり走ってピエールが走らないのはやっぱり歳だからなのかなとか、ちょっとピエールが可愛く、そしてマックスが不憫に思えるシーンです。あと容疑者との縮まらない距離も好きです。役者が本気でダッシュしてる感があって。容疑者逃走シーンでここまで本気で走る(しかもめちゃくちゃ長い)映画を他に知らないのですが、これは純粋に舞台が山奥の村で移動しないのと、製作費の関係からきているのでしょうか。

とにかくふたりが仲良し

何度も見返す度に思うのですが、ピエールとマックスはもうちょっとはやく出会ってよかったんじゃないでしょうか。マックスがタコ殴りにしたりされたりするシーンも個人的には好きだったのですが、その後のマックスのピエールへの懐き方と言ったら無いですよね。どんだけ大好きなんですか。ピエールが犬が苦手という最高のギャップ萌ポイントを逃さず嬉しそうにしているマックスがとても可愛いです。ピエールは所謂敏腕刑事でマックスにとっては噂に聞く憧れの存在だったわけで、それだけでこの話シーズン2までいけるんじゃないかと思いました。実際この映画製作したのがアメリカだったらこういう宗教殺人系のほの暗いサスペンス・ホラードラマとしてロングランいけていたと思います。それくらいふたりの仲良し加減が微笑ましくて、サスペンスなのに癒されてます。なので最初の方の単独行動はすっとばしてさっさと出会ってやり直して欲しい!これは登場人物に魅力を持たせ過ぎたせいなのかと思います。本筋のストーリーからすれば、別にピエールもマックスも地元警察の刑事で良かった訳です。ベストセラー小説が原作だと映画化した時に尺が足りなくて大変ですね。

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