やるかやらないか!壮大な夢の結末は…
日本のプロサッカーの現実を忠実に捉えた作品
Jリーグで言うJ2(物語上ではN2)を舞台にした地方の弱小チームが舞台。チーム名やリーグの仕組みなど現実のJリーグを連想させるものが非常に多いです。クラブ間による運営予算・規模の格差やアマチュアリーグとの入れ替え戦、専用スタジアムの重要性、サポーターの雰囲気や気持ちなど非常にJリーグの現状と近しいものになっており、特に政治やスポンサー問題といった運営側での模様が描かれているのは見ごたえがあります。ほとんどの登場チームにモデルが存在していると思われます。日本で一番年間予算があるチームとして浦和レッドスターというチームがありますがどう見ても浦和レッズがモデルと考えられています。千葉エイゼンはジェフ千葉がモデルでスタジアム移転による観客数増というのは現実での実話でありそうした経緯もモデルとして再現しています。
その他レンタル移籍のチーム事業や選手個人の感情などリアルな視点で描かれています。経営視点からサッカーで街を復興させるという壮大な夢を現実プロサッカーのありのままのリアルで見れる点が非常に面白い作品です。
こういうクラブが出てきてほしいと思わせる
無事N2リーグに残留することが出来て、最後は日本でも指折りの規模のサッカークラブになりますが12年後を舞台にその成功へのプロセスや5万人の専用スタジアムや立派なクラブハウスの施設までが描かれています。何もない弱小地方チームが全く違うチームへと変貌します。今のJリーグでも地方に多くのチームが存在していますが、どこのチームも運営に苦しんでいる話はよく聞きます。この作品で出てきたオーレのようにサッカーを通して街を復興するようなクラブが現実に出てきたらこんな面白いことはないと思います。私の地元富山もチームはあるが観客席はいつもガラガラ、クラブチームが街の誇りとして多くの人がスタジアムに足を運ぶ、そんな姿を見てみたくなりました。
ラストはかなり駆け足に
物語は主人公がチームに所属した1年がほとんどで最後は一気に12年後まで飛び、そこまでくるプロセスもDVDのような映像で紹介されるだけです。ただチームが残留したところから一気に飛ぶところには若干違和感はありました。もう少し成功へのプロセスについて細かく描いてほしかったです。
ただ寂れてしまった街がサッカーで見事に復興した姿を見ていて感動しました。
夢を持って取り組むことの大切さ、見る人に元気を与えてくれるそんな作品でした。
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