新しい家族ができるとき
少年の心
この映画はまずサーカスで働くお母さんが幼い主人公を残して交通事故で亡くなってしまいます。電話での親子の会話からとても仲の良い親子だったことがわかりますね。母のお葬式で寝る前に母に読んであげるはずのレポートを読み上げようとした場面は泣けました。でも主人公のアルバートは皆が泣いてしまうからとそれをやめて墓地の中を走りその場から逃げました。でもこれって皆が泣いてしまうってのは強がりで、アルバートの中でまだ受け止めきれなかったのだと思います。アルバートの父は夜逃げ同然でいなくなってしまい、身寄りがなくなってしまいます。サーカスの人ももちろんアルバートのことが好きというのは嘘ではないと思います。でも育てるとなったらやっぱり別です。誰が引き取るのかもめてる様子をまたアルバートが見てしまったことも切なかったですね。
ボーガスの存在
母は身寄りがなく里親の元で育ったため、アルバートには親戚がいません。でも姉妹として同じ里親のもとで暮らしたハリエットを後見人として指名していたことがわかり、ラスベガスを離れニューアークへと向かいます。その飛行機の中お絵かきしているときに生まれたのがボーガス!日本人にはあまり馴染みないですが、ボーガスはイマジナリーフレンドなんですよね。海外ではよくファミリーもののドラマとか小さな子供の描写としてでてくることがあります。いろんなことがあって心が不安定なアルバートにとって心を整理して新しく出会った人々との関係を築くのにとても必要な存在でした。彼が消えることはアルバートが成長した証でもあるのです。
ハリエット
私がこの映画をみようと思ったきっかけのキャラクターです。というのも演じていらっしゃるウーピーゴールドバーグさんが大好きだからです。ハリエットは当初姉妹同然に育ったロレインに息子がいることを知りませんでした。でもいきなりロレインが亡くなったことを知り、息子さんを引き取ってほしいと言われたらそれは躊躇しますよね。でも彼女も里親に育てられた身なので、孤児院という言葉にアルバートと一緒に暮らすことにしました。子育ての経験もないハリエットですが、なんとかアルバートと関係を築こうと一生懸命なのはみていてわかりましたね。でもやはりそう簡単になかなか上手くはいきません。そこで彼女にもボーガスが見え始めます。心の整理をちゃんとしようという彼女自身のあらわれですね。この映画はコメディ映画として公開されてますが、私は人間ドラマを軸にした映画としてみた方が好きです。とても素敵な映画でした!
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