どっちを選ぶのか!? - よつのはの感想

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よつのは

3.803.80
映像
5.00
ストーリー
3.00
キャラクター
3.00
声優
3.00
音楽
5.00
感想数
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観た人
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どっちを選ぶのか!?

3.83.8
映像
5.0
ストーリー
3.0
キャラクター
3.0
声優
3.0
音楽
5.0

目次

アホ過ぎる主人公

「よつのは」主人公の結城 誠(ゆうき まこと)は、少し鈍感過ぎるように感じられます。

結城家の家事全般を担っているヒロイン、猫宮 のの(ねこみや のの)ですが、それをするにはそれなりの理由があるはずだと考えられます。ただ、「のの」の好意に甘んじて、理由を考えることをしない誠がアホ過ぎるように思います。確かに「のの」自身が優しい性格で、家事が苦手な結城家の有り様を見てられない面はあるのかもしれません。

しかし、それだけのワケはないと思うのが普通だと思うのです。

そして、それを受け入れるのであれば、誠自身にもそれなりに責任はあるのではないでしょうか。「のの」の善意に甘えているだけの誠のキャラクター性に強く違和感を覚えました。これだけ尽くしてくれた「のの」に対して、誠の対応があまりにもいい加減なものだと思えてしまいます。

ひょっとしたら、「のの」の気持ちに、誠は応えることができないかもしれません。誠自身に、他に好きな女性ができた展開だって有り得たでしょう。それにしても、「のの」に対しては、誠心誠意をもって対応しなきゃダメだと思います。

誠の考え方、物事の捉え方が甘すぎるように思えてなりません。

また、優しいのは誠の良い点なのかもしれません。

しかし、女性に対して、あまりにも優しすぎるように感じられます。

きっと、もう一人のヒロイン、天地 祭(あまち まつり)も、誠に対して恋心を抱いていたように感じられます。あまりにも優しすぎてしまうと、「祭」当人にしても勘違いしてしまうのではないでしょうか。「祭」からすると、誠は自分のことを受け入れてくれると思ってしまうのではないでしょうか。誠も自分のことを好きで、相思相愛なのではないか、と勘違いさせると思えるのです。

きっと誠は、表面上は優しいのかもしれませんが、やっていることは優しくないです。

そのことが良く分かるアニメ作品なのだと思います。本当の優しさについて、少し考えさせられるアニメ作品だと感じました。

用意された二つの選択肢

元々はアダルトゲームだった「よつのは」が、アニメ化されたのが、このOVA作品「よつのは」です。

すなわち、元々のゲームでは、それぞれの女の子たちと結ばれる展開が用意されていたのだと推測されます。アダルトゲームでは、登場する女性キャラクターの全員と結ばれる可能性があり、プレイヤーが狙いを定め、結ばれる展開を模索していくスタイルが一般的です。

しかし、アニメ本編を観る限りでは、選択肢は二つに絞られていたように感じます。

登場する女性キャラクターとして前述の「のの」「祭」に加えて、もう一人、柚姫 衣織(ゆずき いおり)という人物がいます。

しかし、年齢は一つ上であり、幼馴染という間柄です。そして、結城家に住み込みしているという不思議な設定です。どちらかというと、「衣織」と誠の関係性においては、姉弟に近いもののように描かれていました。物語冒頭の場面で、誠と「衣織」の二人で物語の舞台となる学校に向かっていました。

冒頭から一緒にいることを描いていることで、結ばれるには近すぎる存在であることを表しているように感じられるのです。

女性キャラクター三人のうち、「衣織」を除くと、選択肢は二つに絞られてくるのではないでしょうか。

すなわち、「のの」と「祭」のどちらかと結ばれる結末なのだと考えられるのです。

そして、「のの」と「祭」はどちらも誠のことが好きなのだと、観る側に思わせる描写をしていたように感じられます。誠のプライベートを支えた「のの」の存在、誠の学校生活を支えた「祭」の存在、どちらもアニメ本編では強調されていたように思います。

選択肢を二つに絞った上で、誠がどちらを選ぶのか、それ自体がOVA作品「よつのは」の面白さになっています。そして、誠自身が決断した、自分自身の中の深層意識に気付いたことが、「起承転結」の「転」の部分にあたり、「結」の部分で誠からのアプローチさせていく展開に変わっていきました。

それぞれのキャラクター性

ロリコンの象徴のような「のの」、巨乳&天然系の「衣織」、ツンデレ系の「祭」と男性受けしそうな設定を振り分けたようなキャラクターデザインだと思います。

観る側の好みによって、お気に入りキャラクターは違うだと思います。私自身は、この中で選ぶのであれば「衣織」です。しかし、誠の選択肢からは除かれており、スポットが当たることも少なかったです。個人的には残念に感じてしまったポイントです。

ただ、それぞれの個性の中で目立つのは「のの」の関西弁だったように思います。他の登場人物は標準語なのに、「のの」だけは関西弁を話し、印象に残るキャラクターだといえます。ただ、大阪から出てきた設定で、高校も大阪の高校に進学しているにも関わらず、「のの」の関西弁は大阪弁というより京都弁のような印象です。

キャラクターの設定と、実際のセリフのイメージが合致しないので、違和感はありました。

しかし、「のの」の関西弁の印象は強く、誰よりも目立つキャラクターだといえます。アニメ本編を振り返って考えてみると、その事実そのものが物語の結末を示唆していたのかもしれないです。

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