眼鏡好きターゲットですよね~
作品タイトルの考察
作品タイトルの「眼鏡なカノジョ」について、考えていきます。一般的に考えれば、漢字で「眼鏡な彼女」と表記するのではないでしょうか。しかし、「カノジョ」の表記をカタカタ表記していますので、意味を含ませているのだと捉えられます。
goo辞書で「彼女」という言葉を調べると、二つの意味が記載されています。
[1]三人称の人代名詞、女性を指す語
[2]愛人、恋人を指す語
アニメ本編から伺えるものとして、明確に恋人として付き合っていることを前提にしていた話が一つ、そして、恋人として付き合う未来を想像させる話が一つ有りました。残り二つの話は、恋人として付き合っていくのか、後の展開を明確にされていませんでした。
すなわち、作品タイトルの「彼女」の意味は一つではないのです。一般的な「彼女」という言葉がもつ二つの意味、どちらにも受け取れるようになっています。
アニメ本編は全四話で構成されており、それぞれ一話ずつ登場人物が違い、展開も異なります。当然のことながら、「カノジョ」の指す人物は毎話違っていることになります。また、話によって、「カノジョ」の指す意味も違うのです。
すなわち、作品タイトル「カノジョ」という表現は、全四話でそれぞれ一話完結のアニメ本編構成そのものを指しているのだと考えられます。一般的には、「彼女」という言葉は女性人物を指す言葉です。しかし、このアニメ作品においては、アニメ本編の構成を指していると受け止められるのではないでしょうか。
そう考えると、ユニークな作品タイトルだと思えます。
思考を飛躍させ過ぎでしょうか(笑
眼鏡争いから伺える駆け引き
第一話に登場するヒロイン麻生 花奈、主人公の神谷 純一は、お互いに両想いなのではないでしょうか。
それが眼鏡をとって、素顔を晒すことに表れていると思うのです。花奈が最後のセリフ「お揃いになった」には、花奈の純一に対する恋心が含まれていると思うのです。この場合、素顔は花奈の本心と解釈することができると思います。恥ずかしくて晒せない花奈の乙女心を覆い隠すものとして、眼鏡の存在を挙げているのではないでしょうか。
しかし、純一が眼鏡をかけると見えなかった世界が見えるようになりました。そして、花奈の本心が垣間見えたのだと思います。
変装目的の眼鏡
第二話では、第一話の正反対であると受け止めることができます。変装することで、プライベートの生活を楽しんでいる一戸 綾が主人公です。売れっ子アイドルということもあり、変装しないと仕事の余暇をゆっくり過ごすことができないのです。しかし、変装した姿が、本来の綾の素の部分なのだと考えることができます。
眼鏡で本心を隠していた第一話と、変装することで素の部分を出す第二話で、対称的な話であると受け止めることができるのではないでしょうか。
コミュニケーション手段
第三話での眼鏡は、意志疎通の意味をもっていたように感じられます。
付き合ってはいるものの、お互い奥手で進展の遅い恋人同士の話でした。何も進展しないことからの焦りは、木村 美月の中で次第に大きくなっていたように描かれていました。
そして、美月自身も奥手であり、積極的に行動できないことも悩みだったのでしょう。
しかし、お互いに眼鏡を壊してしまったことにより、自分と似たもの同士であることを理解するようです。
キッカケとなった眼鏡の存在は、コミュニケーション手段といっても過言ではないでしょう。
意思表示としての眼鏡
第四話は眼鏡が曇ることを、感情表現として描いていることが印象的でした。
意思表示もコミュニケーション手段の一部として含まれることを考えると、第三話と第四話は類似していると捉えることができるのかもしれません。ヒロインである倉本 千秋の自分からは明かせない本音の部分が、眼鏡というアイテムを通して伝えられるのはロマンチックな表現だと感じさせます。
千秋は、中学時代から自分自身を変えてクールキャラクターに転身しました。
眼鏡を曇らせる機会は減ったように思われますが、機会が減ったことで、意志表示としての眼鏡の意義は大きくなったのではないでしょうか。眼鏡を曇らせているのは、千秋自身の本音を晒す場面であり、機会が減ることで重みが増しているように思います。
全編を通して
ヒロインの女の子が、誰ひとり設定が被っていません。その事実が、それぞれのヒロインの女の子の存在を強調しているように思えます。設定が同じだと、印象もどうしても霞んでしまいます。男性キャラクターに対して、同級生や先輩、アイドルなどジャンル分けされていることは、それぞれのヒロインを立てる意図的なことなのではないでしょうか。
また、ヒロインの存在がしっかりしていることから、エピソードそのものも印象に残りやすいものになっていると思います。
また、「眼鏡」の存在意義もエピソードによって、全然違うことも印象的でした。
単純に眼鏡をかけたヒロインで終わっていない点は、原作者の発案の良いところではないでしょうか。
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