SMAP稲垣吾郎の完成 - 東京大学物語の感想

稲垣吾郎と瀬戸朝香

当時から人気アイドルグループであるSMAPのメンバー稲垣吾朗は、この作品で初めて瀬戸朝香と共演した。この作品は漫画を実写化したものだ。漫画には男女の絡みが積極的に盛り込まれている。実写化されるならその男女の絡み具合が気になる所だが、予想通りそのようなシーンは削除されていた。大学生同士の恋愛を、事細かく描いたこの作品は恋愛ドラマとして大きな活躍を見せた。ヒロイン役の瀬戸朝香は、この役にぴったりだと感じたのは私だけではないだろう。外見もしぐさも全てが可愛く感じた。もし彼女がそのまま漫画のような男女の絡みシーンを演じたら視聴率は計り知れないだろう。しかも相手はSMAPの稲垣吾郎だ。人気者同士の絡みは間違いなく視聴率をとったに違いない。それでもこの作品はまずまずといった評価を受けている。SMAPといえばドラマにも数多く出演していた木村拓哉は、高視聴率を毎回とっていた。稲垣吾郎がこの役に選ばれた理由は一体なんだったのだろうか。知的な雰囲気が強かったからか、それとも木村拓哉以外にもドラマで活躍させるための戦略か。どちらにしろ、木村拓哉以外のSMAPメンバーに活躍の場を設けるために考えられたのではないだろうかと私は考える。

稲垣吾郎、イメージ作りとSMAPとしての立場

この作品が放送され、稲垣吾郎のイメージは知的でカッコイイという印象になった。それまではSMAPの中でも冴えない印象の彼だったがこの作品をきっかけに彼のSMAPの中での立ち位置が決まってきたのだ。いつでも髪の毛を気にすり素振りが彼をナルシストだというファンもいた。ファンにはそんな稲垣吾郎がたまらなかったはずである。知的なナルシストの彼が完成したのもこの作品に出会ったからだと私は思うのだ。SMAPには木村拓哉や中居正広だけでなく他のメンバーにも魅力的な要素を皆が持っているという事を伝えなかったのだろう。稲垣吾郎の相手に瀬戸朝香が決まったことも両者にとって非常に良い影響を与えた。

SMAPメンバーで稲垣吾郎と一緒に当時冴えなかったのが草彅剛だ。彼はメンバーの中でも印象が薄くこれといった魅力は草彅剛のやさしそうな笑顔だろうか。彼の笑顔は人々に癒しと安心感を与えた。それが彼の魅力だと私は思うのだ。稲垣吾郎とは違うイメージを草彅剛も獲得したのだ。ドラマにも次々と出演し、彼の優しい印象がいかされる作品ばかりだった。つまり感動作品が彼には良く合い、視聴者に感動を与えた。

国民的アイドルと言われるSMAPの影響力

SMAPは国民的アイドルグループだ。最初はそれほど冴えなかったのに今ではこれ以上ない絆で結ばれメンバーの表情は自信に満ち溢れている。様々なウワサを囁かれたりもしたが彼等は彼等のSMAPを手に入れた。

稲垣吾郎が学生役を演じていた頃は想像もつかなかったが、ヒロイン役の瀬戸朝香は彼と同じ事務所のV6メンバーのイノッチと結婚し、子供もいる。そのニュースに衝撃を受けたのも私だけじゃないだろう。２人にどんな繋がりがあったのだろうか。瀬戸朝香と繋がりがあったのは、SMAPの稲垣吾郎だとばかり思っていた私は予想外の結末に驚きを隠せなかった。

それにしてもSMAPはみんながそれぞれのキャラクターを持ちそれぞれが活躍している。香取慎吾は女装して慎吾ママというキャラクターでCDまで出して一躍人気ものになった。特に若い女性よりも主婦の間から注目を浴びたのだ。自由奔放で時には金髪してみたりと彼の姿は奥様たちを虜にしたのだ。そんな風にしてSMAPは幅広く愛されるアイドルグループに登りつめたのだ。

”東京大学生物語”に出演した稲垣吾郎は、彼のトレードマークであるヘアースタイルをずっと変えずに今まできている。年齢を重ねても同じスタイルでいる彼の魅力は決して”知的”という言葉では収まりきれない。何歳になっても”吾朗ちゃん”と呼ばれるアイドルでいられる彼の姿をこれからもずっと目で追いかけたいと思う。SMAPのファンとしても彼等全員から目が離せないだろう。今では５人で一つという彼等の形に私は愛おしさを感じる。１人１人が主張し自分の存在を強く世の中に伝えてきた。それが見ている側にもそのまま伝わり、彼等の凄さを実感する。それぞれが違うからこそ一つになった時の無限の強さや影響力は半端ないのだ。これだけ世の中に影響をもたらすグループは数少ないと思う。SMAPの代表作品「世界にひとつだけの花」のように彼等は永遠に輝き続けるだろう。誰かが失敗したら他の誰かがかばい、補うことが出来る。あの頃見ていたこの作品の彼がここまで世界に影響を与えるなんて誰が想像出来ただろうか。正直私は彼がここまで世の中にとって欠かせない存在になるとは思ってもいなかった。きっと何が起こるか分からない未来を信じて歩いてきたからこそだと思う。こんな生き方を私は自分の子供たちに経験して欲しい。未来を信じて自分の力を押さえ込まずに前に進むことはその人自信の力になり支えとなると思うからだ。