現代のアパルトヘイト
本と映画の違い
映画化されたとき見ることが出来ずに本を読みました。
もしも、私が読んだ本の中で一番感動した作品は何かと聞かれたら、すかさずこの本を最初にあげます。
傑作です。
後日DVDを見て、がっかりしました。
ただのドキュメンタリーにしかなっていないく、人物背景・描写が全然描かれていませんでした。
この本を2時間ちょっとの映画に集約すること自体が無理なのかもしれません。
人種差別
アパルトヘイトという差別政策のもと、南アフリカ共和国で殺害された黒人開放活動家と、彼の話を記事にしようとした白人新聞記者の亡命への道が中心に描かれています。
読み終わったとき、涙が一滴流れ落ちたのを覚えています。
南アフリカのアパルトヘイトは現在無くなりましたが、人種隔離政策と呼ばれ約20%の白人が残りの黒人達を差別し支配していました。
白人以外は、皆貧しく選挙権すら与えられず、ほぼ奴隷状態のままでした。
そのころの話を本にしたものです。
人種的に劣る黒人を守っているだけだと国際社会の批判をかわしていました。
すなわち、白人が支配しているのではなく、迷える黒人を導いているのだと言い訳していたのです。
我が国への心配
最近、似たような話をどこかで聞きました。
配偶者控除を無くそうという法案です。
103万円という配偶者控除の枠があるから、女性が自由に働けない。
配偶者控除は女性の社会進出を阻害するものだから、無くしてしまおうという屁理屈です。
所得税を増やそうというだけの事であり、女性が本当に社会に出たいのなら、そもそも配偶者控除など考えていないはずです。
貧富の差が広がり、共稼ぎをして税金を抑えないといけない社会になっているのが現実です。
富める人は、そもそも配偶者は働いていない可能性が高く、配偶者控除が無くなっても多少税金が増えるだけの負担です。
貧しい人は、配偶者控除が無くなると実質手取り額が減りますから、配偶者は減った分さらに労働を強いられます。
しかし、不景気な世の中で長時間働かせてもらえる所があるかが問題です。
長時間労働となると会社がパートでも社会保険に加入させないといけなくなりますから、経費が増えるため時間規制が掛かる事が予想されます。
結局、社会進出どころか働く場所から追い出される(早く帰される)可能性が出てきます。
掛け持ちパートをしないといけなくなり労働環境は悪くなるばかりだと思います。
富める者と政治家が、一般労働者をこき使うばかりで実入りが少ない状態になると思います。
政治が女性の社会進出を後押ししているという言い訳には、残念な事に国際社会の批判が起きる事はないでしょう。
現代のアパルトヘイトをここに見たという気分です。
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