HELLSING、ドリフターズの平野耕太によるオタク度200%漫画 - 以下略の感想

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以下略

4.504.50
画力
4.50
ストーリー
4.20
キャラクター
4.30
設定
4.50
演出
4.70
感想数
1
読んだ人
2

HELLSING、ドリフターズの平野耕太によるオタク度200%漫画

4.54.5
画力
4.5
ストーリー
4.2
キャラクター
4.3
設定
4.5
演出
4.7

目次

全方向に濃い内容の漫画

本作の内容はゲームショップファンタジィで繰り広げられるキャラ達のオタクトーク…なのだが、内容が濃い、こい、KO☆I、とにかく濃い。秋葉原とかにいそうなフツーのオタクのトークの中身が飲み物で言うとコーラとかドクターペッパーに例えられるとすると、この「以下略」はドロッドロの甘いホットチョコレートとでも言えそうだ。そういえば本の帯であきまん先生も「チョコレートケーキの硬いやつ」と言っているし。あまりオタク耐性がなさそうな人が読んだらアレルギーを起こしそうだが、この本の内容が分かるのならば立派なオタクと言えるだろう。嬉しいかどうかはわからないが。

ゲーム、漫画、アニメ、日本史、世界史…ネタが全部分かる?

ゲーム雑誌で連載されている漫画なのだが、トークの内容がゲームだけではない。もっとも、これらの境界は曖昧になっている気もするが。特に作者の好きな作品への熱意は素晴らしく、平野先生のTwitterを見ている人や平野先生のファンなら分かるだろうが、一つのテーマで連載が出来そうだ。特にバイオハザードやサイレントヒルや銀英伝、ベルセルクあたりを平野先生にエッセイや漫画を描いてもらったらすごく面白そうだ、まず不可能だろうが…。

ちなみにバイオハザードネタでやたらとウェスカーがピックアップされているが、「以下略」で描写されていたウェスカーに関する事実はアレで大体合ってたりする。ちなみに筆者はバイオ3とコード:ヴェロニカをプレイして、バイオ1,2、4、5、6はストーリーを知るのみだが、アレで大体合っている。特典ディスクの「ウェスカーリポート」も持っていた。さしずめ「5、6ページで分かるウェスカーさんの人生」とでも言うべきギャグ漫画を描いているあたり、才能が凄い。気になる人はテレビでバイオハザードのハリウッド映画が放送されたら平野先生のTwitterを見てみよう、ウェスカーやクリスのことを面白可笑しく揶揄していることだろう。ちなみに平野先生の中ではウェスカーは50過ぎのダメなオッサンで、クリスはゴリラで、クレアもゴリラで、ジルはキーピックで解錠しまくるピッキングオバサンで、エイダは性フェロモンムンムンの中国人で、レオンは若い頃エイダに会ったせいでフツーの女性に満足出来なくなった童貞臭漂うオッサンらしい。

他にもチンピラがオタク調教されている時の作品も平野先生の好きな作品らしく、銀英伝を「たった109話だよ?」と言っているあたり業の深さが窺える。たった109話…飲まず食わず眠らずで43時間強だろうか、長すぎる。そういえば「オタクになるのにも資金が必要だ」という文章が「もえたん」にあった気がするが、その通りかもしれない。あとベルセルクを13巻だけ抜かしてチンピラに全巻見させていたが、アレを実際にやってみたら面白そうだ。持っているベルセルクを見てみたら、13巻の内容が以降ほとんど出てこないので、何があったかが断片的な情報でしか分からないのでチンピラは気の毒なことこのうえない。こんなことを思いついて漫画を描いて笑わせられるのだから、平野先生は誰よりもディープなオタクなのは間違いないだろう。

キャラにはモデルがいる

「以下略」のキャラたちにはモデルがいる。まずヒラノさん(またはコータ)は言わずもがな作者本人。ジャージさん(またはヤマシュー)は山秋先生という作者の知人(師匠らしい)、ヤブさんも知人らしい。いずれもTwitterで確認出来たことなのだが。残りのヤクザ、チンピラ、真紀は架空の人物のようだ。

しかし真紀にいたっては「平野先生の好みの異性のキャラ化なのでは?」と思える箇所がチラホラある。そもそも第一話で求婚(会ったばかりで、告白を飛ばして)しているし、ヤクザとチンピラが初登場する回では当時バレンタインデーだったらしく、チョコレートをせがんでいるし。そもそも外見がHELLSINGのリップ中尉にそっくりなのだが…リップ中尉も平野先生の好みの女性像なのかもしれない。そういえばドリフターズのオルミーヌも外見が似ている…これはもう確定か。ついでに言うと平野先生はX○IDEOSで検索すると幸せになれる眼鏡っ子が出てくる単語とかも発言していたし。平野先生、もう少し女性のファンのことを意識してツィートしてくれればいいのに…。

ちなみに平野先生はバレンタインデーとクリスマスが嫌いらしく、いざ当日になると不憫になるような発言が連発する。だれかファンの女性と付き合ってはいかがなものか。眼鏡をかけていて、ついでに言うと巨乳な女性がお好みらしいので、「自分こそは!」と思う女性は平野先生と付き合って欲しいと個人的に思っている。ついでに言うと平野先生はネコを飼っているのでネコが好きだと尚よさそう。

平野先生はたぶん、最高のオタク

「以下略」には他にも龍が如くやサイレントヒル、エースコンバットやコールオブデューティといったゲームがお気に入りのゲームという題材として取り上げられているが、なんというか、漫画家なのにそんなにゲームが好きで大丈夫なのだろうかと逆に心配になってしまう。ゲームが好きな漫画家というと他には真島ヒロ先生が思いつくが、こういった先生方はどうやってゲームで遊ぶ時間を工面しているのか気になってしまう。「以下略」はそれほど描き込みが多くはないようだが、HELLSINGやドリフターズを見るとかなり線が多いと思うので現場は大変そうだ…、一回あたりのページ数は少ないが。

「以下略」には他にもたくさんのオタク知識が詰まっているので知らない人にはサッパリだと思うが、もしかしたら何年か経って再び読み返してみると分からなかったネタが分かったりして面白いかもしれない。ただ、中にはガンダムのような見始めると長い作品もあるので、平野先生の描くネタを全て理解出来るようになるにはかなり時間がかかるだろう。「以下略」を初めて見て全てのネタを理解できた人は果たしてどれほどいるのだろうか。

平野先生は消費するだけではない、作品を作ることが出来るクリエイティブなオタクの最高峰と言えるだろう。

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