日常系料理アニメ - クッキングパパの感想

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アニメレビュー数 2,474件

クッキングパパ

4.254.25
映像
4.00
ストーリー
4.00
キャラクター
4.00
声優
4.50
音楽
3.50
感想数
2
観た人
3

日常系料理アニメ

4.54.5
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
4.0
声優
5.0
音楽
4.0

目次

料理アニメらしくない料理アニメ

「うまいぞ~」など、独特の試食表現がある『ミスター味っ子』、「究極v.s.至高」の『美味しんぼ』など、料理をめぐって対決しながら成長していくのが料理アニメの定番であろう。“料理アニメ”というくらいであるから料理がメインで話が展開するのは当然と言えば当然である。その感覚からいえば本作はかけ離れていると言えよう。本作は、料理はあくまでお話を引き立てる役割をしている。メインは心温まる家族だったり仲間だったり同僚だったりの物語である。実は本作は料理がなくても成立するのだが、本作を見ていると料理が出てこないとやはり物足りないのである。主人公・一味(かずみ)の若き日の恋話、虹ちゃんにオペラ(ケーキの一種)を作る話など、話の中心に料理が位置する話もあるが、多くの場合、料理は話の筋とは無関係に登場し、場を和ませる役割を果たす。

 アニメの主人公は息子であるまこと

アニメが放送されていたのは木曜の午後7時。ファミリー向けの作品に仕上がっている。このため、原作では主人公・一味の会社関連の話が多いのを、アニメでは息子で小学4年生のまことに関する話をメインに展開されている。もちろん、一味の周りの出来事をメインとした話もあるが、割合としてはまこととその友達を中心として話が多くなっている。これはどうやら放送を開始してしばらくして方向転換があったようである。それは主人公の妻(まことの母)虹子(にじこ)の描写によって推測できる。メガネである。10話くらいまではメガネ越しの目が描写されておらず、少し怖い印象がある。後に目が描写されるようになり、柔らかい印象になった。ファミリー向けをより意識した結果であろう。

 年をとる登場人物

日常系はいくら年月を過ごしても年をとらないことになっているが、本作は違う。30年続く原作では登場人物は現実の半分のペースで年齢を重ねていっている(つまり、2年につき1歳年をとる)。30代だった主人公は40代中盤に、息子まことは小学校低学年から大学生に、物語が始まった当初生まれていなかった娘・みゆきは小学校の高学年になった。アニメではこれほどの成長はしないものの、みゆきは当初誕生していなかったものが1歳になっている。まことは小学3年生から4年生に進級している。ただし、放送は3年間続いたが5年生に進級した描写はない。

 男子厨房に入らず

今でこそ男が料理するというのは珍しいことではなくなった。しかし、昔は“男子厨房に入らず”という言葉があったように、男が料理する、というのは珍しいことであった。原作が開始された80年代もかなり薄れてはきていたがそのような風潮はまだ残っていた。そんな時代のお話なので、主人公・一味は自分が料理をしていることをひた隠しにする(自身が恥ずかしがり屋な性格ということも関係している)。その隠し方が面白く、当時の見どころの一つでもあった。よく使う手に「うちのやつ(または家内、虹子のこと)が作った」というものがあるが、虹子は料理がそれほどうまくなく、というか、こういうごまかしをしていたころは料理下手であったため、「料理が得意な奥さんに助けてほしい」と持ちかけられて大ピンチに陥ったこともあった(虹子の機転で何とか乗り切った)。原作では年を重ねるために係長昇進を機にカミングアウトとなったが、アニメではひた隠し状態が終盤まで続いた。その中において、当初からバレてしまっている人もおり、その人物との掛け合いも面白い。また、鈍感でほぼバレバレなのに全く無関心で気づきもしない人物もいて、その人物の振る舞いもアニメの見どころの一つでもある。

 実用性のある料理

原作で登場する料理は必ず原作のうえやまとち氏が試作、試食して味を見てから掲載するとのことである。原作では料理の作り方も掲載している。アニメの方でも本編後に“今週のうまかもん”という実写コーナーがあり、本編で登場した料理の作り方を紹介していた。これは現在市販されているDVDにも収録されている。もともときちんと試作されたものであるから非常に実用性が高い。このことも原作、アニメとも人気を博している大きな要因になっているものと言えよう。真の意味での“料理作品”と言えるのではないだろうか。

 イクメン、イクボスの先駆け

男が料理をする、ということもある意味先駆けであったが、“イクメン”すなわち育児をする男性や“イクボス”すなわち部下のワークライフバランスを考えられる上司の先駆けでもあるのが主人公・一味である。連載開始当初原作者のうえやま氏は、当時は一味のような男はおらず「こういう男ってかっこいいよね」というコンセプトのもとで描き始めたようであるが、この一味は現在の男の理想像になっている。30年後の世を見据えて、というわけではないだろうが、時代を見る目があるのかな、と感心する。ただ、イクメンやイクボスというのは家庭生活や職業生活を円滑、円満に進めていくうえでとても大切な考え方である。多くの人が理想としているからこそ作品が愛されているのだと考える。これからも、“変わらない荒岩家”を期待したい。

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他のレビュアーの感想・評価

勉強にもなりました

強烈な印象のパパの顔からつくりだされるお料理は、途中過程や、マメ知識がでてきたりしてメモをとることもよくありました。アニメでは一旦ストーリがとまり、ポイントなどの要点をチェックさせてくれる場面もあり、アニメばかり見るなといっていた母も一緒にみていたのを覚えています。昔なので、まだ絵は綺麗とはいえないものの、美味しそうと子供ながらに思ったこともありました。お料理だけでなく、お料理をつくる姿勢やいただくということ、まさに現代いわれる「食育」は私はこのアニメからの影響もあったのかもしれません。季節の食材の説明や、特徴、味付け前の臭みとりなど、おばあちゃんの知恵袋要素もありますが、それだけではなく、多国籍料理といえるほどの豊富なジャンルです。美味しんぼなど、他にもお料理にまつわるものはありますが、とにかくパパの顔!アゴ!印象的で、子供はクレヨンしんちゃんほどまではいかないですが、アゴをつきだし...この感想を読む

4.04.0
  • にょにょまるにょにょまる
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