男子の妄想 - ながされて藍蘭島の感想

男子の妄想全開の作品

本作は『もしも女性しかいない島に男が流れ着いたら』といった男性であれば一度は妄想したりするシチュエーションを実際に映像にした作品であると思います。

さらにそんな島にいる女の子達が美少女ばかりでほぼ全員が自分に対して好意を寄せてくれている、そんな状況に出逢ってしまったらどうなるでしょうか？私なら...とつい考え込んでしまう事で実際にそんな島に行ける事になったら一度は行ってみたいと思うでしょう。

そしてほとんどの男性も同じ様に感じてくれると思います。

そんな所謂ハーレムを映像化した作品とは他にもいくつか作品化されていると思いますが本作の様な事故でそういった状況に陥り、今までの自分の世界を捨ててまでそんな島に行きたいかと言われたら踏み止まる方も多いと思います。

よく、究極の2択として家族をとるか、恋人をとるかといった2択の問題がありますがそれと似た様な状況であると言えるでしょう。本作の主人公は実際にそんな状況に陥り、島の人間と触れ合い、どんな判断をするのかといった葛藤を描いた作品というのが本作のメインテーマであるのだと思います。

ですがいち視聴者として外から見る分には単純な美少女達との島にでの田舎や島といった昔ながらの生活を描いた作品として楽しめるのでは無いでしょうか。

現代社会ではそういった生活は得難く、都会に住んでいる方が大多数となるので昔ながらの生活へ憧れを持っている方も多いのでは無いでしょうか、実際に老後に田舎や静かな土地でゆっくりと過ごしたいと思っている人たちは本作の視聴によりまた興味を持った方もいると思います。

個性的な美少女ハーレム

最近のアニメでは視聴者層に合わせ、必ずといっても良いほどに美少女キャラクターが登場します。

その中でも本作のキャラクターの登場数はかなり多い部類であるといえます。そんなキャラクター達を性格やデザインといったところが重複しないように設定し、キャラクターデザインがされており、単純にすごいと思いました、私がイラストを描く際も性格設定を決めてからの製作に取り掛かるのですがひとつの世界観でたくさんのキャラクターを個性的かつ魅力的なキャラクター達を重複しないようにデザインする苦労には理解があるのですごく感心しました。

漫画作品のアニメ化

本作の原作は少年誌の漫画作品を映像化した作品になり、単純に漫画作品に色がつき、声優さん達による演技が追加された作品であり、漫画での作品のイメージとアニメでの作品のイメージに差異がほとんどなく、原作ファンとしては嬉しく思いました。

私としては本作がまさかアニメ化される作品とは思ってなかったので驚きがありました。もともと絵柄こそ少年誌向けだと思うのですが内容的には青年誌向けだと思っていたので意外でした。

漫画作品のアニメ化作品は数多く製作されておりますがどの作品にもそれぞれ共通の魅力があると思います。特に声優さんの演技により、キャラクター達に声が入ることにより漫画では感じ取れなかったキャラクター達の生き生きとした感情や独特の雰囲気を感じることが出来、より物語の世界を楽しむことが出来るのがアニメ作品の共通の最大の魅力であると思います。

そういった点からもアニメ作品に自身の理想や妄想といったこんなことがあったらいいなや出来たらいいなといった理想の世界を映像化した作品が好まれる要因となっており、アニメ産業が発展してきた最大の理由でもあると思うのです。

独特な世界観

本作は日本ではあるが独立した島、という設定の為、作者の方の自由というか可能性は限りが無く詳しい解説や設定などを調べるととても興味深く、

設定資料集などを隅々まで見てからアニメを視聴するとまた違った面や細かい発見などもあり、もっと作品を知ることが出来ます。

島の生態系として巨大化した生物などがよく登場するが大昔に恐竜といった生物の存在も確認されているので実際にありそうなのがまた興味を惹かれるポイントでもあると思います。

島とありますが某サバイバルホラー漫画のように島の規模がだんだんと大きくなってしまい収集がつかなくなった感じはありますが細かいことは気にしないのが単純に作品を楽しめるので良いかと思いますがその分疑問に思うこともいろいろ出てくるので話を広げすぎるのは少し物語の設定上めちゃくちゃになってしまうのでもう少し簡潔に物語をまとめていただきたかったと思います。

ですが本作の様なイベント盛りだくさんで常に全体が騒がしい様な環境だと静かに過ごすのは難しそうですがメリハリがあって若者達へ田舎暮らしを勧めるのには良いと思います。

現代社会では本作の様な地域社会とのつながりが薄くなってきて人と人とのつながりが薄くなり、孤立しがちだと思います。そんな現代社会に暮らす人々へ地域社会の重要さや人とのつながりの暖かさや大切さといった忘れがちなことも思い出させてくれるそんな作品であると思います。