原作とは別のもの
山田悠介さんの「親指さがし」を原作として作られた映画ですが、原作ファンの私としてはその考えを捨てて別のものとしてみるべき映画だなと思いました。大きな理由としては結末が全く異なること。原作では、畳みかけるように恐怖が襲い、読み終わった後は後頭部が気になったり、後ろが振り向けなくなったりなど、とても脳内に残る内容でした。しかし、映画では恐怖よりも感動ものとして捉えてほしいのかなと感じました。最初はなんとなくホラー感を漂わせているように思いましたが、呪いの正体は解明されますし、呪いも解かれます。原作ではこれから先も呪いは続くように描かれているので大きく異なるなあと思います。感動映画としてとらえるならば、良い映画ではないでしょうか。友情や恋愛のもつれが生み出した事件がここまで大きくなることで、見ているわたしたちも、自分の行動を深く考えることが出来ます。最後に武が死ぬ場面は心が締め付けられますし、涙を誘うように思います。個人的には、三宅健さんのファンなので、彼の演じる武の幼少期を、彼のファンと明言している野澤祐樹くんが演じていたのことが見ていて嬉しかったですが…。この作品はホラー映画ではないなと思いました。怖くありません。
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