こんな切ない刑事ドラマはもう出ない
2時間ほどのスペシャルドラマで放送され、約1年の時を経て連続ドラマでスタート。「ストロベリーナイト」というかわいいタイトルとは真逆の刑事ドラマ。是非ともスペシャルドラマから見て頂きたい。この連続ドラマはその上に成り立っているといっても過言ではない。なぜなら、ストロベリーナイトとはそもそも何かがそこで明らかにされている。狂気に満ちた事件を追って、謎が謎を呼び、裏切りの連続。桐谷健太の殉職、後輩のまさかの裏切り、スペシャルドラマでは脚本、演出が素晴らしい。そうして連続ドラマとして復活をするが、大前提にこの「ストロベリーナイト事件」を知っておくべきだろう。
連続ドラマではまずタイトルのセンスに魅かれる。だいたい2週で一つの事件が解決するように構成されていて、まるでサスペンス小説を読み終えた爽快感がある。事件自体は不可解なもの、気持ちの悪いものが中心で思わず眉間に皺を寄せてしまうが、主演竹内結子も一瞬そのような表情をし、呼吸を整え切り替えて部下を仕切る。いつも毅然とした態度で指示をしている竹内結子だが、過去に性犯罪に巻き込まれたという元被害者でもあり、過去に怯えているがまわりには気付かれないよう強がっているのが痛々しい。劇中の所々で時々フラッシュバックを起こすのだが、彼女に密かに思いを寄せる部下、西島俊之が何度となく助けている。またその恋について、凶悪事件を追うなかでさりげなく、切なく描かれているのがこのドラマのすごいところだ。
警察という組織で上の指示を振り切った竹内結子率いる班はついにばらばらに異動になってしまい終わるのだが、しばらくしてスペシャルドラマで異動後のメンバーはどうなっているのかが、それぞれの環境を背景にスピンオフ・オムニバスドラマで放送。全部見てもやっぱり最初の桐谷健太の殉職が忘れられない。- あなたも感想を書いてみませんか?
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