隠れた名作。私の青春
ホイッスルは、典型的な努力と友情の物語であり、主人公は比較的直情型のスポ根マンガであると私は思う。
一方でこのマンガ、ファンからすると最終的に打ち切りになったと認識している。勝手な推測だが、このマンガは男性受けが悪いと思う。
主人公は「比較的」直情型と記載した理由がそれだ。どちらかというと人の情に訴えかけるシーンが多い。好きこそものの上手なれ、という諺もあるが、コンプレックスを抱えまくっている人間がホイッスルには非常に多い。
体格に恵まれない、技術が身につかない、親へのコンプレックス、周りへの反抗心、友達が作れない、やりたいサッカーができない、チームメイトの友だちがどんどん自分の先を行く、追いつけない恐怖、追いつかれる恐怖。10代の少年達の心境をありありと表現している本作品は、生々しく、重たい。
読み手がいろいろと考えさせられる作品のため、少年ジャンプでは長続きしなかったのではないかと思う。
私がこの作品で好きなのは将が諦めないことだ。下手っぴが、サッカー好きなのを諦めきれず、何度も何度も挑戦し、しがみ付いてサッカーを続けていく。そして、物語の中で誰よりも努力をし続けて、努力が報われる事を体現した少年を私は心のどこかで尊敬していた。将のように好きなものをまっすぐ愛し、あきらめず強く生きていたい、中学生だった私はそんな事を考えていた。
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