軍が開発した兵器によって世界滅亡の危機
人間が原因で地球滅亡の危機に
地球の核が停止したことにより地球が滅亡の危機をむかえます。でもそれは軍が開発した「ディスティニー」の実験で起こった人的原因によるものでした。「ディスティニー」というのは地震発生装置で、敵国がはじめ開発していた兵器でした。敵国より同等またはそれ以上の地震発生装置を開発することによって、抑止力になると考え開発されました。この開発に関与していたのがコンラッド博士でした。軍が開発した兵器が原因で地球滅亡の危機とは、まさにアメリカンブラックジョークです。将軍が自国の兵器の方が敵国の兵器より性能が優れていると言っていました。優れすぎていて地球の核まで届くような衝撃を与えた結果地球が滅亡の危機にさらされるとは、あまりに皮肉的だと思いますね。
軍は最初この兵器のことを隠しています。それが爆破が失敗する可能性が高いと知るとこの「ディスティニー」の存在を明らかにします。世界を助けるというよりは、地球が滅亡することになると自分たちまで死んでしまうので、あくまでも底の部分は隠すことを前提に「ディスティニー」を使用しようということだったでしょう。太陽風まで地表に届く事態になり、その上爆破もうまくいかないとなると身の危険を感じたのでしょう。軍のせいでこのような事態になったと言われるよりも、死にたくない気持ちの方が勝ったのかもしれませんね。軍や政府の身勝手さがわかりやすく表現してあると思います。
地球を守るのはいったい誰のため?
メンバーが一人また一人と犠牲になっていく中、残っているメンバーの責任はどんどん重くなっていきます。任務の失敗は即地球の滅亡に直結しているため当然のことでしょう。爆弾の専門家でもあるサージが、自分は世界の人を助けるためにこの任務に参加しているのではなく、家族を守るためにこの任務に参加していると言っていました。途中故障のために切り離されることになった機体に取り越されたサージを助けようと、ジョシュがレベッカに扉を開けるように言います。しかし、扉を開けるとメンバーを危険にさらし、任務を達成できないかもしれないというコンラッドの忠告を受け入れ扉を開けませんでした。サージを見殺しにしたと責めるジョシュにレベッカは地球を救うためにやったんじゃなく、彼の家族を救うために扉を開けなかったと言います。彼の家族への思いを受けたのでしょう。ジョシュもレベッカが悪いわけではないことはわかっていたのかもしれません。それでもサージの家族のことを考えるとレベッカを責めずにはいられなかったのでしょう。
この任務は6人のメンバーのうち4人の犠牲を出しました。しかし全員が地球を救うということを一番の目的にしていたわけではありません。サージのように家族を守りたいもの、この任務を成功させて自分の名をあげたいもの、数百ドルもかかる船をつくることを夢見ていたものとさまざまです。しかし地球を救いたいなどという大きな大義名分よりも、身近な人を守りたいなどのようにごく身近な目的のためという方が、任務遂行の大きな機動力になっている気がします。
爆破チーム・天才ハッカーVS軍
爆破してもうまく核が動かないかもという結論に達した時、軍はB計画として「ディスティニー」を発動させようとします。爆破チームの方はあきらめずにほかの方法を模索し、ついには時間差で爆破させたら核を動かせるかもという結論を出しました。「ディスティニー」の発動を阻止させるためにラットは軍のパソコンにアクセスします。何度もアクセス拒否にされながらも、あきらめずにアクセスを繰り返します。そしてやっとラットがハッキングに成功し電力の供給を停止させてしまいます。その電力の送り先は遊園地でした。遊園地のシーンがなかったのが少し残念に思われました。
ラットの活躍はネットだけにとどまりません。核の爆発エネルギーを利用し海底までもどってきた2人でしたが、熱をエネルギーに変えて動くため、海底に出たとたんエンジンは停止してしまいます。ソナーで探索しても大きな岩として認識されるだけで、見つけるのはとても困難でもう少しで、捜索打ち切りの寸前でした。しかしその時、鯨がないているのが聞こえてきました。船の超音波に反応して集まってきていることに気が付き、2人は無事地上に戻ってくることができました。ラットが超音波のことに気づかなかったら、二人はずっと海底で過ごすことになっていたでしょう。
最後の最後でもラットが活躍します。兵器の実験ミスで地球に破滅の危機をもたらした軍。当然のことながら、地球の核が停止しもう少しで地球が滅亡するところだったと公表することはできないため、極秘扱いとなります。しかし、そこは天才ハッカーです。ネットカフェでウイルスをまき6人の英雄のことを公表します。ラットに協力を申し出たことを一番後悔しているのは軍の方かもしれませんね。
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