確率統計とスポーツ
大学の授業で確率統計についてのレポートが課された際にみた映画です。視聴した感想ですが、確率統計がスポーツに使われるということはとても合理的なことである、と思います。「マネー・ボール」内では、主人公も「野球は一連の動作」と述べていましたが、やはりパターンのあるスポーツの結果はより予測しやすく、実際にその後のプレー内でも確率が反映する精度も、読めないものよりは高いものです。一勝、一勝と勝率の高さを貪欲に求めるものなのであれば、確率統計を採用することは妥当です。
個人的には、昔から日本では、特に高校野球などで、汗と涙という感動を求めがちなのではと感じます。熱い展開を望むような観客にとっては、確率統計の使用が白けさせるものにうつる方もいるかもしれません。しかし、その一方で応援するチームの勝利を強く願うために、確率を重視することも重要でしょう。
この作品内では確率統計を使う時に対象にしたのは出塁率であり、ヒットなど一見点にすぐ結び付きそうな確率を最優先にしなかったのが印象的です。実際、監督からはGMである主人公のやり方は無視されていましたし、本能的なやり方はではないのでしょう。提示された確率統計のどの数値を参照するのかは裁量によると感じました。
気になったのは、選手の心理状況に影響を与え、データから外れはじめることはないのか。例えば、自分は統計上これが得意だと思っていて、実際には外した時に、次のプレーに心理的影響を受ける場合。また確率次第でチーム編成されることへの不安やモチベーションへの影響、チームの雰囲気作りなど。映画中ではさらっとした描写だったので、これの元話となっている実際のチームの様子が気になります。
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