笑い転げた漫画。パロディ満載。宇宙人との戦いが好きでした…
燃えるお兄さんといえば「あちゃー、おちゃー、玄米茶」というギャグが有名でしょうか…作品自体マイナーめな作品なですが、仮にもジャンプ漫画ですからそれなりの知名度はあるはずです。用務員さん事件とか、いろいろ問題作ではあったようですね。
僕はリアルタイムの世代ではなく(連載当時は幼稚園くらい)知る由もありません。中学のころに偶然、古い漫画の本を大量にもらった時があって、その中に紛れ込んでいたのが「燃えるお兄さん」でした。漫画をほとんど読まない子供だったのですが、この漫画を読んで人生が変わったといってもよいでしょう(笑) 僕にとって、ギャグマンガの面白さを教えてくれたすごい漫画なんです(その点では総合評価☆5かもしれませんね) 全巻あったわけでなく、とびとびで数巻あったわけですが、一気にはまりました。なんでそんなに笑い転げてたんだろうってくらい笑い転げてましたね。今読むとそうでもないんですが(笑)読んだ当時は思春期真っ盛りで、主人公の妹のゆきえちゃんにぞっこんだったのはいい思い出です。献身的なお姉ちゃんって感じで好きでした。節約上手で家庭的でいい奥さんになるだろうなぁ、と独男は思います。個人的に印象深いのは、停電の話。電気が消えるたびにゆきえちゃんの服が脱がされていく場面。脱衣麻雀をプレイしているような興奮と期待感。あれには思春期だった僕はときめきました(笑) ご飯を食べるときに決まって米粒が口元についてる描写もかわいいです。
ここで、お話の流れをざっくり説明すると、幼少時不慮の事故(?)で野生児として育てられた主人公が、かつての家族のもとに舞い戻って、騒動を起こす、というような感じです。偶然か、野生児として育てられるところは、ジャングルの王者ターちゃんにちょっと似てる? 連載時期も同じという共通点もあります。狼に育てられた少女的な設定はギャグマンガ界ではよくある設定なのかもしれません。
ともかく主人公は、たまたま山籠りの空手の達人に育てられたおかげで、たいへんたくましく育てられ、怪力であるばかりか動物と会話できるという特殊能力まで身につけています。この空手の達人っというのが玄米茶というじいちゃんで、この漫画では最強という設定です。あちゃ、おちゃ、玄米茶のギャグははこの人なしには成立しません。おそ松くんでいうところの、イヤミがシェーをやるのと同じです。つまり持ちネタです。ギャグマンガには持ちネタが重要で、どうおもしろく印象付けるかにかかっています。この場合は名乗りですね。自己紹介です。これで名前も覚えてもらえて、キャラのコミカルさを印象付けています。そう考えると主人公の持ちネタってなんでしょう。「あう?」とか独特の口癖? あの口癖は真似したくなります。
主人公の雰囲気は初登場時北斗の拳のケンシロウっぽいし、頭身もリアルですが、全編通してギャグマンガチックな二頭身キャラ。作者は三年奇面組の先生のアシスタントしてたせいかキャラデザや雰囲気がすごく似てますね。漫画家のアシしてると先生の絵柄に似てくるものなんでしょうね。
キャラ設定やストーリの流れでいえば、他のジャンプ漫画作品のみならず、仮面ライダーやウルトラマンなどの特撮もののパロディも豊富です。改造手術を受けてサイボーグ化した先生とか、宇宙から飛来する怪獣とか、今読み返すと結構パロッてんなぁ、と思います。作者が好きなものを盛り込んでいる感じがしますね。当時の漫画界の勢いも感じられていいです。特撮ものも好きなんで楽しめました。
アオイホノオでも語られているとおり、連載されていた八十年代は学園ものがはやりはじめたころです。学園ギャグでいえば、うる星やつらや魁男塾とかもそうですね。この漫画も基本学園ギャグ漫画です。わきを固める同級生たちもさることながら、先生もキャラが濃くてゲスいですね。特にサイボーグの先生。
ときおり、地球を侵略しようとする悪い宇宙人がやってくる展開は僕が特に好きなところ。ギャグマンガにはちょくちょく宇宙人がからんできます。銀魂やこの漫画もキャラの濃い宇宙人が続々登場します。強く印象に残っている場面は、脇役たちが敵宇宙人を押さえつけ、主人公が敵宇宙人の股間に「くるくるパー」を連発したところ。笑い転げました。やった! これで勝てるっ! と胸アツな展開でした。ドラゴンボールにもひけをとらない熱さでした。
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