50年前の「世紀末」を、今こそ見るべし。 - 渚にての感想

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50年前の「世紀末」を、今こそ見るべし。

4.54.5
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.5

世界大戦の折りに使用された核兵器のため北半球は壊滅。死の灰から逃れるべく南半球に逃げ延びた人達。しのびよる死の灰の恐怖に怯え、逃れることのできない人々の姿が淡々と描かれる、SF作品。 公開は1960年、50年も前の映画です。核戦争が起こった、都市が次々壊滅した、とはいってもCGがあるわけでも、大がかりなセットがあるわけでもなく、ちょっとした演技や映像の見せ方で、世紀末感をあらわしているのが、逆に、今見て、けっこう怖いです。 グレゴリー・ペックの男前はもちろんですが、フレッド・アステアがなかなかいかした役どころ。 抑制のきいたセリフ、展開で残酷な最後をじわじわと予感させる、地味ですがしっかりした脚本だと思いました。 ラストは後生の我々に向けての警句(戦時中のプロパガンダを皮肉ったものですが)でしめくくられ、この部分は映画を映画らしからぬものにしていますが、この警句を活かし、受け止め切れているのか…はなはだ不安になってしまう、未来を予見するかのようなところもある作品です。

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