悪いことだとわかっているけど痛快！ - 夜逃げ屋本舗の感想

タイトルのとおり、借金で立ち行かなくなった人を夜逃げさせて、人生のやり直しを手助けするプロの運送屋を描いた娯楽映画です。 もちろん、夜逃げがいいことだとは言えません。借りたお金は自分のものではなく、あくまで人のものなのですから、返すのが筋です。ただ、彼らが逃がす人たちは、少なからず、現代社会のマネーゲームに巻き込まれ、利用されたという一面があることも事実なのです。借金の保証人になったばかりに自殺した父親の無念を晴らすかのように、執拗に夜逃げさせた人たちを探し出す、ローン会社の取立人が、途中までは正義を振りかざしています。子どものものは残したり、逃げているだけではいけないと人の道を解いたりしています。しかし、彼らの手引きで一斉に自己破産をされ、部下が「このままでは会社が倒産する」と言った時、「大丈夫。どこにでも客はいるわ」と言い放つ、その一言に、彼女もまた気付かないうちにマネーゲームの勝者を目指していることが暴かれています。そんな 何はともあれ、地に足をつけた生活が第一、それが事実です。でも、娯楽として、一発逆転を想像して楽しむのは、時にはいいかなと思います。