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- 日本人のバイタリティ「幕末太陽傳」
4.674.67
- 映像
- 4.17
- 脚本
- 4.67
- キャスト
- 4.83
- 音楽
- 4.17
- 演出
- 4.50
- 感想数
- 3
- 観た人
- 3
幕末太陽傳
小生、落語が好きで、特に熟年になってから古典落語にのめりこみ、今ではネタが200も超える程、ITを駆使してダウンロードしながら聴いています。
この「幕末太陽傳」は、これら古典落語を主題として落語のネタを何通りかを組み合わせて製作しているのです。 落語好きな小生が興味を示さずには居られません。
出し物の古典落語は「居残り佐平次」、「品川心中」、「芝浜」といった名作で、居残り・・は志ん朝、品川心中は円生、芝浜は談志、などが演じていてとても気に入っています。
物語は江戸末期、当時吉原に次ぐ旧東海道でも一番といわれた品川の遊郭で繰り広げられる時代劇のドタバタコメディですが、その主役が「居残り佐平次」の佐平次役でのフランキー堺である。 元、ドラマーだった彼が映画・「私は貝になりたい」以降、名役者として一段と磨きがかかった役ぶりが驚きである。
兎に角この映画は人間が“泥”になって懸命に生きてゆく姿が、表面では笑えるが、内心ではジ゙―ンと感じるのです。 ある映画評論家が「日本人は、世界で最もおシャレな笑いが造れる民族だ」といっているほどです。
この江戸末期のバイタリティ溢れる日本人が、明治維新を起こし、日清、日露に勝利して世界のカンたる処をみせつけたのでしょう。
今の日本人はどうなんでしょうう・・?、と疑問を感じてしまうほどです。
先般亡くなった、「小沢昭一的、心・・」の小沢昭一氏が、「品川心中」では金蔵役を演じていましたが、口先もそうだが演技の上手(うまさ)さも抜群でしたね。 あの石原裕次郎が、いやに地味に見えてしまうほどでしたよ。
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他のレビュアーの感想・評価
古典落語が元ネタの青春時代劇
幕末の品川遊郭を中心に、古典落語の「居残り佐平次」・「品川心中」・「柴浜の革財布」などをモチーフに描かれている、普通とは違った市民感覚あふれる時代劇になっています。フランキー堺が演じる主人公の居残り佐平次は、ニヒルでパイタリティにあふれ、生きるということに必死な人物。そんな姿は、今の我々の世界にも共通するところでしょう。キャストも石原裕次郎をはじめ小林旭や南田洋子、二谷英明など当時の日活映画のオールスターの共演も見どころの一つになっています。映像・音楽・脚本、どれをとっても一級品の味わいが感じられるドラマです。フランキー堺が、画面の中で調子良く演じきる姿は、コメディアンながらまさにハマリ役。監督 川島雄三 傑作の一本です。
4.54.5
江戸末期の遊郭を舞台にした傑作
今なおカルト的人気を誇る日本映画の傑作。品川宿の遊郭で支払いが出来ずにそのまま「居残り」となったフランキー堺。ありとあらゆるトラブルを解決する大活躍しつつ、しまいには攘夷志士とも渡り合う。高杉晋作役に石原裕次郎が出演しています。三味線で「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」と謳うのはなかなのもの。何よりもこの映画のすごいところはテンポ良く、落語などのネタを随所にちりばめつつ、飽きさせること無く物語がひろがっていく所にあります。落語の素養がある人が見れば、さらに楽しめる一本となっているでしょう。単なる喜劇として終わるのでは無く、肺を患いながらも最後まで力強く時代を駆け抜こうとする主人公には、見終わった後に勇気づけられるモノを感じる人も多いのではないのでしょう。
5.05.0
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