孤独な芸術なんかないんです。いくら純粋だの孤高だのを掲げてみたって、その気概そのものこそが吸引力を持ち、僕みたいな観客を魅きつけてしまうんです。
ロブ・ロンサール
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ロブ・ロンサール
かつての世界的ダンサー・シーターは、己の舞踊に観客向けの映像加工が施されることに憤っていた。「私の好きなように踊りたい」と観客を拒絶するが、その裏には「ありのままの自分の踊りを見てほしい」という感情があった。この心の矛盾を、彼女の熱烈なファンであり、引退公演の舞台演出担当者のロブが指摘する。「本当に自分の事だけを考えるなら、映像加工に胸を痛める必要もないのでは」と問いかけ、この台詞に繋がる。