ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂの評価
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂの感想
型破りで挑戦的ではあるがどこまでもまっとうな青春小説
かけがえのない人を失った二人は、ヤツと闘うことが「できた」。優しい厭世観としてのチェーンソー男かけがえのない人を失うという共通項を持つ山本 陽介と雪崎 絵理。二人は謎のチェーンソー男と命がけの闘いをしています。理不尽なほどに危険な状況ですが、しかし、山本たちは「彼」と闘っていられるという「幸運」の只中にいることもまた、事実です。何せ、チェーンソーを持った意思疎通のできそうにない大男が相手なわけです。どれほど気分が沈んでいようと刃の行き先に全神経を尖らせねばならなくなりますし、事情を知った山本は絵理と離れることはできなくなり、絵理もまた、山本を頼らざるを得なくなっていくわけです。束の間ひどい現実を忘れ、独自のルールが定められた状況に没頭する、となると、ゲームにのめり込むような雰囲気もありますが、それは山本にとっても絵理にとっても必要不可欠な時間だったのでしょう。「彼」はその場と時間を提供...この感想を読む