ボーイズラブというくくりでは当てはまりきらない作品
いわゆるボーイズラブ作品というのは、登場人物の設定の段階でメインとなる二人の両方、もしくはどちらかがゲイであるというのが当たり前な傾向となっています。ですが、この作品についてはメインの二人ともがノンケ(異性愛者)です。そんな二人が出会い、そして体の関係までもってしまうというストーリーなのですが、残念ながら完全なハッピーエンドとは少し違います。メインの二人のうちの一人である松岡は女装をして街中で男の視線を浴びることを趣味としていて、一方の寛末は松岡と同じ会社に勤める要領の悪い男で、街中で偶然出会った松岡のことを女性だと思いこんで一目惚れをしてしまいます。女装趣味の男とそれに全く気づかず彼のことを女性だと思ってしまう男。この時点で、そんなことは現実世界ではまず考えにくい設定だし、小説のなかでの話だとしても読んでいて違和感を感じてしまう読者もいるのではないかと思います。なのにこの作品ではそん...この感想を読む
5.05.0