帝都物語の評価
帝都物語についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
帝都物語の感想
主役は帝都そのもの
バブル期に巨額製作費を投じた異色作映画「帝都物語」はバブル期の真っ盛り、1988年にセゾン系の資本を中心に作られました。製作費だけで10億円と、かなりのスケールを誇る超大作ですが、当時から日本映画としては異色の点が多く、話題を呼びました。まず、原作者の荒俣宏は翻訳家(SF作家ダン・セイニをもじった団精二という筆名でした)、書誌学者として長年知られた人で、「帝都物語」は著述業10年目にして初の小説でした。長年サラ金から借金して本を集め読み続けたといわれ、超人的な博覧強記をバックにしたこの作品はすぐにベストセラーになっています。監督の実相寺昭雄は当時からかなりのビッグネームでした。TBSディレクターから円谷プロダクションに出向して1960年代後半「ウルトラマン」「怪奇大作戦」などの斬新な演出で一部の評価を受けた後、劇場映画に転じ、「無常」「あさき夢見し」などを独立プロ系で製作してきました。「無常」はロカルノ...この感想を読む