黙秘の感想一覧
映画「黙秘」についての感想が5件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
キング原作映画の裏ベスト
スティーブン・キング原作小説の映画化作品と言うと、「ショーシャンクの空に」「ミザリー」「スタンド・バイ・ミー」がまず浮かびますが、この作品はそんな王道とは若干外れているけど、紛れもなく秀作です。「ミザリー」でも出演したドロレス役のキャシー・ベイツは神懸っていました。そもそもこの作品は、キングが「ミザリー」のキャシー・ベイツをイメージして書かれた物なのだと言うからそりゃあ神懸りでも当然です。ジェニファー・ジェイソン・リーも不安定で難しい役どころを、決してキャシーの影に隠れることなく演じていました、2人とも素晴らしい女優です。この2人(特にキャシー・ベイツ)の演技のためだけでも、見る価値があります。
光を当てる角度を変える 視点を変えると理解が変わる
1995年に作られたステーィヴン・キング原作のアメリカ映画。これは絶対に見逃せない映画、ステーィヴン・キングの作品の中で一番優れています。母親と上手く行ってないお方や、再婚して相手が自分の子供に手を出してる等という状態の方に見てほしい作品です。決して泣き寝入りや我慢が良い結果を生むとは限らないと教えてくれます。そして、自分の周りで泣いてる同じ立場の人と話してみようと言う気持ちにさせてくれる事でしょう。アナタが親なら、もしくは片親になってしまった時にも、心の準備として見て置くと良いと考えます。この作品の中の母親は決して上品でも格別美しい訳でもありませんが、彼女の話をぽつぽつと聞いていると、母になると言う意味と選択とどろどろした終わりの無い苦悩から抜ける道と何が本当の目的かを、明確にアナタが自分自身で見る事を手伝ってくれる作品です。
長い年月をかけたサスペンス
このようなサスペンスは他にはありません。かなり事情は深い、この手のサスペンスは怖いです。ニューヨーク出身の主人公はわけあって事件に巻き込まれます。そんな中家族の1人が殺人容疑で捕まります。そして時間がたち彼らは生まれた故郷に帰ります。事件の真相を暴こうとしますが、かなり捜査は困難になり、絶妙なサスペンスになります。最後の最後まで真実がわからず。目をが離せません。これはかなり注目作品ではないでしょうか。そしてこの映画に主演しているこの女性はあの大ヒット映画ミザリーで主演を勤めていたあのおばさんで、そのあたりからもかなり怖さが出ています。まるでサイコホラーのような出来栄えです。
すばらしい
面白い映画ですかね。感動して泣けます。事件の真相には、ある忌まわしい過去が秘められていた。皆既日食が封印されていた記憶を甦らせ、破綻寸前だった母娘の絆を繋ぎ止めた。 アメリカ東海岸の寂寞とした港町を舞台に、名女優キャシー・ベイツの存在感溢れる演技が、スティーブン・キング渾身のサスペンスにあなたを引きずり込む。ハッとするほど衝撃的で哀しい映画である。キャシー・ベイツがとてつもなく頑固だけど娘を愛する気持ちが強い、母性-「お母さん」を感じさせる役が泣きたいくらい胸にせまりました。20余年も奉公人婦として働き続け「その人の一生は手に出る」といったシワだらけの手、女主人との友情とは簡単に言えない繋がり、細かい描写がサスペンスという枠ではなく「母と娘」の葛藤が我が身のように心にせまりました。「世間がどう思おうが娘には信じてほしい」という母親の思いがとても切なかった。
キャシー・ベイツはすごい
キャシー・ベイツの演技力がすごいです。彼女の黙秘にみんながやきもきし、早く真実を知りたい、結末を見たいと思うのですが、物語はかなりスローペースで進み、事件の謎を解くピースもちょっとずつしか出てきません。そして、ラストに近づくにつれて劇的にパズルのピースがそろい、娘の記憶も蘇っていっきに解決へと進みます。観客も登場人物と同様に彼女の自供をひたすら待つしかないのですが、キャシー・ベイツの演技がすばらしいので、退屈せずに一気に観てしまいます。それにしても娘、記憶消し去りすぎ!ただただ娘を守りたかっただけなのに疎まれてしまうなんて、母親がかわいそうでした。