突撃の評価
突撃についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
突撃の感想
軍隊の暗部
スタンリー・キューブリックがカーク・ダグラスと組んで制作した白黒作品。キューブリックは後の『フルメタルジャケット』でも軍隊という組織の矛盾と暗部を冷徹に描き出している。ダグラス演じる有能で精悍な軍人が無能で傲慢な上官を相手に完全と異議を唱える様は『フルメタルジャケット』よりはドラマティックだ。現代の刑事や新聞記者が主人公のドラマでも類似の(というか亜流の)ストーリーが見出せるかもしれない。ドラマ3人の兵士が不当に銃殺されるシーンは戦争で死ぬということの無意味さをもっとも露骨な形で描き出している点で印象的だ。実に索漠としている。また、ダグラス演じる軍人は上官を処分に追い込むが政治的な理由から本意は遂げられないというのも、軍隊組織のいかんともなしがたい矛盾を余すところなく暴いている。