人間と悪魔 種を超えた愛
ある森の奥。大きな大きなお屋敷がありました。そこに住んでいたのは、魔界からやってきた悪魔。悪魔が花に触れるとたちまち枯れてしまうという恐ろしい力を持っています。そんな悪魔が人間界で住み始めてしばらくたったある日のこと。お屋敷の前に人間の赤ん坊が捨ててありました。そのお屋敷の主人である[ビビ]は気まぐれに拾い上げ、[はな]という名前をつけ、育て始めました。みるみる成長を遂げたはなは、ビビを親にだとは思わずに恋心を抱いてしまいます。ビビのために花を摘んでは届け、気持ちを伝える毎日。しかし、ビビが触れた花はたちまち枯れてしまいます。変えられない人間と悪魔との距離を切なく、花で表しているのです。それでも諦めなかったはなにビビは知らず知らずのうちに、保護から恋慕へと気持ちを揺らし始めるのです。そんなはなの強く、まっすぐに好きな人に想いを伝える純粋な気持ちは、読めば読むほど自分の心に問いかけてきます。...この感想を読む
4.04.0