現金に体を張れの評価
現金に体を張れについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
現金に体を張れの感想
無への奔流
競馬場から多額のゲンナマを強奪しようともくろむ雑多な経歴と目的を持った男たちの顛末を、シニカルでハードボイルドなタッチで描く犯罪映画。スタンリー・キューブリックの劇場初公開作品に『恐怖と欲望』があるが、これと同じく人間の内面に潜んでその者を突き動かしてやまない欲望とその多様な種類を分析的に描き出している。クライマックスで、空港の滑走路において強奪した紙幣の山が粉を吹いたように撒き散らされるシーンには、膨大なエナジーが全くの虚無に帰する快感を味あわせてくれる。犯罪仲間が次々と命を落とすストーリーは、タランティーノやコーエン兄弟に影響を与えているのかもしれない。