ニライカナイのあらすじ・作品解説
ニライカナイは、1999年『月刊アフタヌーン』から2003年まで掲載された伝記アクションである。タイトルの言葉は、沖縄、奄美群島各地に伝わる理想郷の伝承で、他界した場所、つまり楽土である。死者がいる世界として描かれることが多く、闇の中で得たいが知れないイメージを彷彿させるため、この言葉を用いた作品はいくつか存在し、この漫画の原作者である岡田芽武も独自な世界で描き上げている。サブタイトルは「遥かなる根の国」である。 この作品は、主人公で探究者である皇言霊(すめらぎほつま)が、音を使い邪神と戦いを繰り広げていく物語である。ヒロインの新垣みかみは、航空宇宙工学を学ぶ女子大生で、ロシアの衛星事故で姉を失う。なぜか姉の死は国家に隠蔽され、真実を探ろうと探究者と接触を試みる。探究者の皇言霊と助手の柊乱空と出会い、異形の怪物邪神と邪神に対抗する音使いの力の存在、そして姉の死の謎が沖縄にあると知る。作品の特徴は、日本神話が触れていることと、セリフに沖縄方言を織り交ぜておりルビが付いていることである。