注意:決してゆるふわ書店員のお話ではありませんよ。
「身の上話」という名の現代の怪談「書店員ミチルの身の上話」というタイトルだけ見て、小さな本屋さんのかわいいミチルちゃんのハートウォーミングなゆるふわ話かと思っていましたが、開けてびっくり玉手箱。これは恐ろしい現代の怪談じゃないかと背中がぞくぞくしました。長崎の普通の書店で働く、普通の女子ミチルは地味だけどちょっとかわいめの若い子。ミチルのまわりで続いていく死や謎の失踪。男たちはみんな、ミチルを想いながら、一人また一人と消えていく。魔性の女は、目を奪われるような絶世の美女ではない、と聞いたことがあります。ミチルのようなどこにでもいそうな子が、本人の意図とは別に、ちょこっとついた小さな嘘が、まわりの人の人生を狂わせていく。こんな恐ろしい怪談があるでしょうか。お化けや幽霊よりも、一番怖いのが人間です。また、ドラマの演技はもちろん、ロケーションや衣装など、とてもリアリティがありました。こんな本...この感想を読む
4.04.0
PICKUP