説明がもっとほしい - SPECスペック 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿の感想

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SPECスペック 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿

3.833.83
映像
3.83
脚本
3.67
キャスト
4.33
音楽
3.83
演出
3.83
感想数
3
観た人
7

説明がもっとほしい

2.52.5
映像
3.0
脚本
2.0
キャスト
3.0
音楽
3.0
演出
2.5

目次

中途半端に推理物にしなくてよかった…

スペックはTBSで過去に放送されていた「ケイゾク」のスタッフで制作されており、前評判から期待値が高かった作品です。

私もケイゾクがすごく好きだったので、同じような感覚で楽しめる作品を期待していたのですが、結果としては全く違うテーマ、テイストの作品となっていました。

そして、はっきり言ってケイゾクの方が面白いと感じてしまいました…。

まずミステリー物と超能力物は食い合わせが悪いと思ってしまいました。

一応全ての事件にトリックがあるのですが、さらにそれを超能力を使える犯人が、能力を使ってくるので、すっきりと観られないのです。

だったら小細工無しに能力を上手く使って闇討ちすれば?と思ってしまうのです。
いちいち推理物にする意味が、犯人からしたら薄いですよね。

主人公の当麻はスペックホルダーの存在を把握しているとはいえ、超能力込みの推理をあっさりできるのも違和感があります。
だったら推理物にせず、スペックホルダーとの対決を描いた方が良かったのではないでしょうか。
推理物と超能力対決はどちらかで良かったと思います。
ケイゾクのスタッフで作っている作品とはいえ、そこは中途半端にしない方が矛盾を感じずに観られたのではないかと思いました。

また、犯行にスペックが使われている事を立証するために、当麻の説明セリフが長すぎました。これは作中で当麻自身も言っていましたが…このおかげでテンポが悪く見えました。

後半は尺が足らない印象

シリーズ後半のスペックホルダーとの対決も、説明不足な印象を受けました。
まず津田介広って何だったの?という疑問。敵だったのか?味方だったのか?クローンなのか?登場した意味は?そして麻倉(ケイゾクの猟奇殺人者)との関係は?
そこが全く見えて来ませんでした。

ニノマエとの関係も、最後にいきなり姉弟という事が発覚し、唐突感が否めませんでした。

また、個性豊かなスペックホルダーが沢山出てきますが、ほとんど殺害されてしまい、そこもモヤモヤが残ります。
能力物なのに、ほとんど能力を活躍させないまま退場してしまったキャラクターが多い印象です。

そして最後、地居との対決では、結局根性で何とかする展開でした。
これも不満が残ります。
まず、当麻も実はスペックホルダーでした、とか本当に萎えますよね。
だったら1話からなんとかすべきだし、これだけスペックホルダーの出現で混乱しているのに、どうして瀬文に情報を開示しなかったのか。
そもそも凡人対スペックホルダーの対決をやりたいんじゃなかったの?という作品の立場も疑問になってきます。

ここまで推理物として頭脳プレーでやってきたのに、結局主人公が根性で大きい声出したら能力が発動して勝つのか、とがっかりするオチでした。

このように作品後半のスペックホルダーとの対決は尺足らずな印象で、だったらなおのこと、この部分だけ丁寧に描けば良かったという感想に至ってしまいました。

新しい主人公像がほしかった

当麻の主人公像もあまり印象がよくありません。
辛口で言うと、「トリック」シリーズで仲間由紀恵さんが演じていた山田奈緒子の焼き直しにしか見えないのです。
美人なのにほぼすっぴんで、普段は敬語なのに突然横柄になる。
このキャラクターは仲間由紀恵さんだからこそアリだったというか、可愛らしく観られたなと思います。
戸田恵梨香さんだと命令口調になった時に、単純にきつく乱暴に見えてしまいました。
食べ物をがつがつ食べる所も一緒なんですが、山田は小動物的なかわいさがあるのに対して、当麻は汚なく見えてしまいました。
これは人によって感じ方が全然違うと思うのですが…。

瀬文も過剰に乱暴というか、当麻の顔面に拳を叩き込む描写とか、いらないんじゃないでしょうか。
仲間という割に、結局映画までのシリーズを全て含めても蚊帳の外感が否めません。
スペックホルダーだらけの世界で、凡人ながらにもっと活躍してほしかったです。
また、瀬文があまり喋るキャラクターではなかったので、印象が薄くなってしまっていると思いました。
本当はかわいい所もあるとか、抜けてるとか、なにかギャップがあっても良かったと思います。
もっとキャラクターを掘り下げて、視聴者に好感を持たせてほしかったです。

また、二人がギスギスしすぎているので、未詳にもっとキャラクターがいた方がバランスが取れたのでは?と思いました。
野々村係長はケイゾクからの続投ということで、安定感がありましたが、三人だけだと寂しい感じがしました。

脇役のスペックホルダーに関しては、結構キャスティングも合っていたのではと思います。

特に神木隆之介さん演じるニノマエは「強キャラ感」がすごく出ていて、時間を止めるという能力もビジュアルに合っていて良かったです。

サトリや冷泉、海野医師など、豪華なキャスティングだったし、それぞれに役に合っていました。

なのであっさり退場してほしくなかった。もっと活躍してほしかったです。

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他のレビュアーの感想・評価

外側からのSPEC愛

何だったんだろうこのドラマ。思えば、この作品との出会いにより、平成のドラマを見始めたのです(レンタルで…)。で、見ていくと、やっぱりドラマは、ポピュラーミュージックみたいに、時代を映し彩っているのものだねえと思うのですが、(そこが良いところ)この作品は、未だに「何だったんだろう、このドラマ」と考えちゃいます。自分史上、会心のドラマ、それが「SPECスペック」です。あ、本当はとても長いタイトルで「SPECスペック 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」ですね。こんなにタイトル長くしてみるのも、制作側の仕掛けと言うか、憎い仕事のひとつなのかと。わざとらしくなく、なんか、こう、ちょっとひっかけてくる感じです。SPECのファンならわかるんだと思います。この感じ。いや、最初は思ったんです「こんな気色悪いドラマ、 好きな人おらんやろうなあ」って。だけど、ファンがいっぱいいました。それはそれで、大丈夫な...この感想を読む

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