壮大な親子喧嘩の末にやってくる綺羅星★ - STAR DRIVER輝きのタクト-スタードライバーの感想

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STAR DRIVER輝きのタクト-スタードライバー

3.753.75
映像
5.00
ストーリー
3.00
キャラクター
4.00
声優
4.50
音楽
5.00
感想数
2
観た人
2

壮大な親子喧嘩の末にやってくる綺羅星★

4.54.5
映像
5.0
ストーリー
3.0
キャラクター
4.0
声優
4.5
音楽
5.0

目次

日曜5時に「綺羅星★」ブームが到来

全国に数多くいる厨二病患者をトリコにしたのが本作『STAR DRIVER輝きのタクト-スタードライバー』です。通称スタドラ。タイトルが長いので、当記事でもスタドラで統一します。まずこの作品は、歴代のロボットアニメシリーズのような既成観念は全くありません。原作小説もなければ原作コミックもない。アニメが一番先行して放送という平成20年代アニメの中でも珍しいスタイルで放送が始まりました。

原作がない=先が読めない展開が続きまして、放送当初から有名になったのが、主人公・タクト(CV:宮野真守)と敵対する組織が使う「綺羅星★」ですね。綺羅星★については後述しますが、物語に何かと関わってくるのが、この綺羅星★と4人の巫女たちによる挿入歌です。

設定もしっかりしている・動画もキレイ・そして何より声優達が歌う巫女の挿入歌も美しい。

残念なところといえば、初めて登場した時のタクト様が乗るロボット・タウバーンが壊滅的にダサいこと。そして名乗りを上げる時に、タクト様自ら「銀河美少年!タウバーン!!」と言う点でしょうか。

ぎ……銀河美少年て……(失笑)。

綺羅星軍団もたいがいダサいですけどね。まさか主人公がその上を行く銀河美少年ですよ。もうタクト様自ら美少年って言っちゃった。初めてタウバーンが登場した時、敵さん達も「銀河……び……美少年?!」みたいな雰囲気になっちゃってましたもん。もう適さん側の演技=視聴者の反応ですよ。

不思議な事に、毎週観ていると。

銀河美少年の名乗りも綺羅星の掛け声も。

これがないと日曜5時のお楽しみがないと感じるレベルではまっちゃうシロモノです。

恋と、ロボットと、アオハルと。

胸焼けを覚えそうなレベルで、スタドラには永遠の厨二病患者がくすぐられる要素がギュッと詰め込まれているんですよね。基本的な人物相関図が、三角関係+α。もともと南十字島在住のワコとスガタ。2人は幼馴染で許婚。そこへ青春を謳歌するためにやってきた(という口実)のがタクト様なわけで。基本的な人間関係はタクト様・スガタ・ワコの3角関係に始まり、さらにはスガタに思いを寄せる同世代の美少女たちがワラワラと現れるんですよ。

第1話を視聴した時には「青春ものだ!アオハルかよ!」って思ったんですけども。話数が進むにつれ、タクトに思いを寄せるのは基本ワコのみ。ほんのりタクトが好きという登場人物はあれど、その他大勢はスガタ派なんですよね。1:9位のレベルでタクトとスガタの人気が島内で別れちゃってるの。

あれ?もうこれスガタが一夫多妻にすれば問題が収まるような気がしてきた。

(一応)高校が舞台になっているので、部活動もあります。まさかの演劇部。リア充オーラ満載なのに、なんだか微妙(演劇部員に失礼)なポジショニングな部活でして。まあ身内でガッチガチに固めた部活にちゃっかりタクト様もはいっちゃいますが、スタドラで部活=ナレーション的なポジションなのであまり気にしなくて大丈夫です。演劇部の部長サリナ(CV:坂本真綾)が登場すると、物語のナレーション+ああここでストーリーが進むんだなと思える休憩ポイントです。

島全体と、唯一の教育機関。さらに寮生活や自宅から通う生徒の交流といった胸キュンキラキラポイントに加え、熱いロボットバトルとのギャップも楽しめます。

「なにが綺羅星だよバカバカしい」by石田彰

最終話に進むにつれ、少しずつ物語の核に迫って行く展開はまさに王道ロボットアニメですね。

もうね、ストーリーが進むにつれて、ミヤビ・レイジ 役(通称:ヘッド)の石田彰さんが良い味を出すんです。もうCV:石田彰の安定感は異常!!CV:石田彰ってだけで、安心してアニメが観れますもん。石田彰さんハンパない。

で、石田彰さんが演じるミヤビ・レイジは、タクト様と相反する綺羅星十字団の偉い人なんです。物語スタート時にはみんなノリノリで「綺羅星★」って決めポーズまで使ってたんですよ。何かあるたびに「綺羅星★綺羅星★」ってね。まあそのハンドサイン含めてくっそダサいわけですが、厨二病を患っている人達からは大変好評でして。日曜5時に綺羅星★ブームが到来したんですよ。放送当時は。

このミヤビ・レイジって人物がまあまあ歪んでまして。実はゼロ時間に囚われてしまったまま大人になりきれていないタクト様の父親=ツナシ・トキオ氏なんですよ。

タクト様かわいそう!こんな父親で本当にかわいそう!!

何がかわいそうって、タクト様と同世代と思われる気多の巫女(サカナちゃん)をプライベートでは囲っていたこと。おいおい。親父よ。自分の息子と同世代の女の子を囲っていたんかい!

しかもね、完全にゼロ時間に囚われている=自分の記憶が曖昧になっている設定だったらまだ救いがあったんですけどね。

この親父、記憶はちゃんと残ってますし、狂ったふりをしているだけでした。

リアルタイムで視聴している時に引きましたもん。

自分の息子と同世代の子供たちに囲まれて、ノリッノリで「綺羅星★」なんてやっていた大人がですよ?いきなり手のひらクルーして「何が綺羅星だよバカバカしい」って言い切るんです。この発言に、周囲に子供たちはポカーン状態に。タクト様も「何いってんだよくそ親父」と名言を残す前はポカーンとなってまして。あ、これ、敵からも味方からも見放される奴だ。

ロボット同士での戦いですが、最後は親子でのグーパン対決でした。

そしてラスボスは大方の予想通りタクト様 vs スガタ。ですが……あれ、これBLエンド?!まさかのBLエンドなの?!とネットがざわつきましてね。

TVアニメ版では若干消化不良気味なBLエンドでしたが、劇場版になると一味違います。

TVアニメ版の総集編を含めつつ、これが本当のハッピーエンド的なまとめ方をしていたと思います。

※劇場公開初日に観に行き若干後悔したファンの感想です。

ノリノリで綺羅星★を楽しむも良し。何が綺羅星だよバカバカしいと手のひらを返すも良し。

とんでもない世界観やセリフが飛び出しても最後まで観続けてしまうのは、この作品の作画・劇中歌・演出・声優たちの演技がずば抜けて良作だからでしょう。

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