男の憧れ - 白竜 LEGENDの感想

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白竜 LEGEND

3.503.50
画力
4.00
ストーリー
3.50
キャラクター
3.00
設定
3.50
演出
4.50
感想数
1
読んだ人
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男の憧れ

3.53.5
画力
4.0
ストーリー
3.5
キャラクター
3.0
設定
3.5
演出
4.5

目次

ただのヤクザではない、インテリヤクザ

凶暴さとインテリを併せ持つ白川竜也の言動は、常に周りの人を男女問わず惚れさせる力があります。

通常、人間が陥りやすい不毛な感覚を手のひらで泳がし、さらにその挙動を利用した上で、全てを黒須組のオヤジさんの為に働く様は、美しいとしか言いようがありません。

ヤクザの親にとってこれほどまでに立ててくれる子はいないでしょう。

これはつまり、オヤジの存在ありきで全てを動かすことで辻褄があっているように思います。

白竜がTOPに行かない理由は、言葉では表せませんが、なんとなくわかる気がしますね。

そして、とにかくすぐ撃つ笑

同じ撃つのでもためらいがないので、結果的に弾数は少なく済んでいるように感じます。

ヤクザにとっての銃は、ただ撃つだけのものではなく、最初の使い方次第で有利な交渉に持っていくことができます。

ビジネスの世界で銃を使うわけには行かないですが、似たような場面があるのではないでしょうか。

例えば、ある企業からクレームを受けた場合、その後の対応によっては当初よりもプラスに持っていくことが可能です。

最初のハードインパクトを良くも悪くも持っていくのはビジネスにおける面白さの一つかもしれません。

ヤクザ世界における銃は、脅しの作用を持ちますが、白竜は中途半端な脅しではなく隙を見せずに徹底的にやります。

もはや脅しではなく、実行に移す前の単なる作業として相手が捉えるので、躊躇なくやられる危機感が一気に押し寄せ、相手の前にひれ伏します。

ただし、必要以上に相手を威嚇したり高圧的な対応は決してとりません。

そういった言動はマイナスにしかならない事を白竜はよく分かっているようです。

この漫画を読んでいるとヤクザが何の為に存在し、本人たちは何を目指して生きて行くべきなのかを見せられているように感じます。

とにかく女を抱きまくって、男性として女性としての性を開花させる

羨ましいですが、白竜が女を抱くには理由があります。

女性は女性として認められることが根底にあり、惚れた男に抱かれる行為こそ、その存在を認めるこの上ない行為です。

同じく男性は男性として認められる行為も、美しい女性を抱くことにあるので、男女ともに与えあうことで男女はその性がもつポテンシャルを常に引き出すことができます。

昨今、「草食系男子」「肉食系女子」等が時代の流れから多く聞かれますが、いつの時代も男性は女性を守り、女性は男性を癒す役割を持っているものです。

男女差別に敏感な時代だからこそ、本当の「男」と言うものを改めて知るべきではないでしょうか?

なにやら「男らしさ」と言うものを勘違いされていることが多いように見受けられます。

つまり女性に対して求めることばかりで、男性とはなんなのか?と言うことに対して深く考えを巡らせることをせず、ただ快楽を求めて女性を蔑ろにしてきた結果なのでは?と感じます。

ヤクザ漫画は読み手に「男」を自覚させる作用があるようで、筆者も読んでいて普段「男」を忘れている事に気がつきます。

女性を「女」を求めるにはまず自分から「男」になって、たくさん女性を喜ばせて行きたいものです。

「この一件私が仕切らせていただきます」ってどうやって?

毎回、どう仕切るのか想像がつきませんが、それはもう美しく気持ちよく仕切り切って一件落着します。

方法が同じでも違う人間が行なった場合、全く裏目に出ることも多いような、ギリギリの手段を毎回出してきます。

だからこそ美しく、男女問わず白竜に惚れ込むんでしょうね。

どんな巨額な金額や巨大な組織を目の前にしても、一点の曇りも見せず冷静かつ確実に事を進めることができるのには理由があります。

白竜の見ている世界にはお金の金額を見ていないのではないでしょうか?

普通の人なら、自身の采配で巨額が動くとなると、やはりストレスや緊張が半端なく押し寄せるものですが、白竜にとっては金額はただの数字であり大した問題ではありません。

筋を通して、信念を貫けば、例え何十億損しようが必ず最終的には自分の手元に舞い戻ってくる確信があるのです。

これはビジネスの世界では非常に役に立ちます。

設備投資は未来の利益を見据えて投資を行いますが、自分自身がここに確信を持てるか否か?と言うのが経営者の手腕そのものなのです。

おそらく失敗することもあるでしょうか、確信を持ってとった行動には必ず何かのタイミングで舞い戻ってくるものです。

金儲けを目的とせず「自分自身は世界に対して何をしたいのか?」ここ一点に集中すれば、その行為は多くの人々の心を動かすことになり、心が動くをお金が動くようになります。

お金は人体の血液のように世を循環するものであり、滞らすものではありません。

自分自信を潤わす、あるいは周りの人々や世界を潤わす為には、お金をどんどん循環させるのです。

実際、ストーリー中でも白竜は巨額なお金を滞らせている企業から、世へ循環させるための活動(脅し)を続けています。

って考えると社会貢献してるんですよね。

組員への愛、オヤジへの愛、家族愛

同じ組の仲間や組長は家族同然です。

白竜はオヤジさんのことをどこまでも立てます。

どんなに無茶で理不尽なことを言っても、オヤジの言うことは絶対なので純粋にそれを遂行する為に、頭を巡らせます。

これだけだと単にオヤジの言いなりになっている組員の姿が想像できますが、ここが中々奥が深い部分で、オヤジは組の顔として堂々と気持ちよく振る舞うを白竜に求められます。

それこそが黒須組の存在そのものなんですね。

組の「顔」がおどおどしてたり、常にイライラしてると中にも外にもカッコがつきません。

2億ぐらいの金額ならギャンブルで気持ちよく負けたり、いろんな女性を抱きまくったり、どんな大きな組織の集まりにもピリッとした空気を笑い飛ばすようなファニーさがあったり、そんなオヤジの長所をさらに伸ばしていくのが白竜の役割です。

日本で言うところの天皇陛下にあたりますね。

実務こそ何もしませんが天皇陛下は国の「象徴」です。

天皇が世界で行なっている公務は、日本そのものの印象を与え、発信し、企業で言うところの宣伝広告になっています。

世界から日本という国を、ちゃんと認識してもらう行為は、当たり前のようでとても重要なことです。

周りから認められなくなった人間はどうなるか?想像した時にそれは不幸しか思い当たらないのと同じように、ヤクザの世界も同じで、オヤジがいるからこそヤクザ世界で認識され白竜の働きも認められることになります。

白竜はそのことをよく知っていて、この部分を全ての「土台」「大前提」として全ての計画を実行しています。

部下は会社の上司を悪く言いますよね?

上司も人間で聖人君主じゃないので、そりゃ叩けばいっぱい埃は出ますが、立てることで組織としての動きはより円滑に周り企業の利益に繋がるのではないでしょうか?

その代わり、いざという場面では上司を前面に出して、堂々としてもらうことも必要ですけどね。

会社も家族と同じで、それぞれに役割があり、そこをうまく回すことでより高みを目指せるようになると感じています。

同僚と飲みの席で上司へ愚痴るのも楽しいですが、思ったことがあるのなら本人へハッキリ進言するか、白竜のように立てることを美徳として、一意専心の気持ちで邁進するかした方が幸せに人生を全うできるのではないでしょうか?

部下を育てるのは上司かもしれませんが、上司を育てるのは部下ですよ。

いっぱい立てて愛情持って家族愛を育んでいきましょう。

必要悪

筆者個人的にはヤクザはいわゆる必要悪だと思っています。

近年、一般人を装ったわかりにく犯罪があとを立たない中、こういったスケープゴートを買って出てくれるような団体はいないのではないでしょうか?

特に関西なんかは風営法もどんどんきつくなり、男性が楽しめるお店も激減しています。

その分、目の届かない分かりにくい部分で、もっと凶悪な行為や危険な行為が増えているのも事実です。

ドラえもんに出てくるような「コラー!」って怒ってくれるような雷おじさん的な存在はどこにでも必要なんでしょうね。

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