「モンスター娘のいる日常」にみるリベラルな感覚 - モンスター娘のいる日常の感想

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モンスター娘のいる日常

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画力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
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「モンスター娘のいる日常」にみるリベラルな感覚

4.04.0
画力
4.5
ストーリー
3.5
キャラクター
4.0
設定
4.0
演出
3.5

目次

「モンスター娘のいる日常」と他の亜人漫画の共通点

「モンスター娘のいる日常」を筆頭にモンスター少女(亜人種)が登場する漫画が注目されています。ペトス「亜人ちゃんは語りたい」や、村山慶「セントールの悩み」などですね。
これらの漫画に共通するのは、亜人種が登場するということなのですが、それだけではなく亜人種に関する社会問題の取り扱い方にも共通点が見られます。

「モンスター娘のいる日常」は亜人がいるのは前提なのですが、「他種族間交流法」という法律が物語を動かしていきます。人類以外の種族と人類がどのように上手く交流を行っていくかが裏に流れるテーマになっているのですね。
主人公の久留主公人は次々とやってくる亜人種の女の子達に好かれ、作中でも正義の行動をとっていきます。公人の行動が何故正義かというと、人間の女の子と接するように亜人種の女の子と接するからです。よくよく考えてみればグロテスクな形状をした女の子もいるのですが、公人はちゃんとドキドキしてあげることができるのですね。
公人は差別感情を持たず、種族の壁を越えて愛することができる人物として描かれています。こうしたリベラルな感覚が「モンスター娘のいる日常」における正義なのです。

「亜人ちゃんは語りたい」においては、亜人はある種の障害のある人のような立場にあるように描かれていると感じます。主人公は普通の人と亜人の間にある壁を越えられる存在で、そうであるがゆえにみんなから好かれるという構造です。
「セントールの悩み」ではより複雑な社会が描かれており、登場する問題も歴史や社会問題と入り合わさって読者に考えさせるものとなっています。

この三作では、亜人種という虚構を使って現実の世界の社会問題を間接的に物語っている作品ということができそうです。

とは言え、それはモンスター娘を描くための方便なのかもしれない

「モンスター娘のいる日常」の主人公は社会正義を体現しているし、自然と深いテーマを獲得しているのですが作者の創作の初期動機はそんなところにはなかったのではないかと推測することができます。
とにかくかわいいモンスター娘が描きたい、モンスター娘といちゃいちゃしたいというのが初期動機であったことは、同人時代のオカヤドの作品を見るに疑いありません。
そして、モンスター娘との本気の交流、交際を描いていくうちに徐々に「モンスター娘のいる日常」に描かれているようなリベラルな主人公像が浮かんできたのでしょう。
こうして、テーマを持ち構造を持ったことで、同人作品群を一つにまとめることができ、「モンスター娘のいる日常」が生み出されたのでしょう。

こうしたことは漫画を生み出す時に、日常茶飯事のように起こることです。漫画家は大きな物語ではなく先に魅力的なキャラクターを生み出して、そこから彼女達をどう動かすかを考えていくわけです。「モンスター娘のいる日常」は理想的な作り方をされた漫画の一つということができそうですね。

ハーレムの着地点は一体どんな場所になるのだろうか?

公人の元には次から次へとモンスター娘がやってきています。
レギュラーメンバーで7人。MNOの4人を含めると11人も婚約者候補がいることになります。
こうしたハーレムもののラストにはいくつかのパターンがあります。

一人を選んで、その他の女の子達が全員失恋するというのが一つありますね。このパターンは報われなかった女の子のファン達が嘆き悲しむ展開になります。
誰も選ばずに、全員を選んでハーレムを完成させるというパターンもありますが、主人公が優柔不断だと批判されることもあります。主人公にハーレムを維持できるだけの甲斐性と人格があれば読者を納得させることができるようです。
誰も選ばないパターンもありますが、変化球過ぎて珍しいです。

さて、「モンスター娘のいる日常」の着地点はどれになるのでしょうか?
ヒロイン一人が選ばれるとした場合を考えてみましょう。
一番選ばれる可能性が高いのは、物語の流れからするとミーアでしょう。一番最初に主人公の家にきたモンスター娘だし、アニメ化の際もメインビジュアルを張っていました。ただ、ミーア単独エンドで読者が納得するかどうかは別のかもしれません。
読者からの人気で考えると、ラク姉さんエンドの可能性を考えるべきなのですが、ラク姉さんの性格からして真っ直ぐに競争に参入しないと思われます。というか、他の女の子達の押しが強過ぎるんですよね。
私個人としては、パピとセレアが好きなのですが、彼女達の単独エンドもこの漫画の結末としてはしっくりきません。

となるとやはりハーレムエンドが濃厚なのではないでしょうか? 作品によっては選択の重みと辛さなどをテーマにするものもありますが、「モンスター娘のいる日常」の空気感は明らかにそういう類のものではありません。
一つ気がかりなのは作品世界内の法律と、ハーレムの整合性をつけられるかどうか? なのですが、結構なんとかしてしまえるように思えます。
読者の欲望は、モンスター娘一人一人が魅力的なので全員をお嫁さんにしたいというものではないでしょうか? そうして、いつまでも主人公の家でのドタバタした共同生活が続くことを望むのです。
その地点で新しい価値観が生み出されるのかもしれませんね。

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