彼岸島48日後を読み疑問に感じた事
ユキがヒロインの座から陥落したのは何故か
ユキは明にとってはヒロインと言える存在だったので、邪鬼になって登場した時は唖然としました。しかも仲間達の中で、頭脳派と目されていた西山まで敵になっていました。この作品は仲間が敵になると、ほぼ確実に明が倒すことになります。そのため、ユキと西山が明の手で倒されたのは、自然の流れのように見えました。内容的には非情ですが、明は既に憧れの存在でもあった兄を自身で倒しているため、苦も無く切り伏せたのには納得できました。
ユキ達を生かしておく選択肢もありそうでしたが、その場合は人間達に倒されていたでしょうね。ユキは邪鬼となり人間達に害を成していたため、生かしても、集中的に攻撃を受ける結果になっていたはずです。明はそうならないように、2人の息の根を止めたと判断できそうです。
ではヒロインから陥落した理由は何故か、これは私の想像ですが、明と思いを通じることができる新しい女性の登場を示唆しているように見えます。その女性は、最初は親しくなった男の子の母親かなと思いましたが、亡者になってしまったため違うようです。
今後登場してくる女性達の中に、明に対して好意を持つ誰かが登場する可能性がありそうです。明の精神力と体力は、超人とも言える状態になっているため、好きになる女性は数多くいると思われます。ただ、作者は明と女性が付き合うのを書かない節があるので、最後までそういう場面は出ないかもしれません。なので最後の方で、俺達付き合ってるんだ、と明が仲間に報告する形で物語が終わるように感じます。後付けとも言えますが、漫画を描いている人なら頻繁に行っていることです。
明が隊長を倒したのはおかしい
前作で明と親しかった人物に隊長と呼ばれる初老の男性がいます。吸血鬼ではありますが、明とは親友と言える関係を築いていて、本を読む人の中には和んだ人も多いことでしょう。ところが、48日後では隊長は明に倒されたことになっていました。
この物語の明は心優しい青年という扱いなので、隊長を倒したのは明らかにおかしいと感じました。本土へ行くのを止めようとしていた隊長、その妨害を跳ね除けるためとはいえやり方が変です。当身を入れて気絶させ、それから本土へ移動をしたのなら話はわかりますが、明らしい行動とは思えないですね。
何故隊長を倒したのか、これは今後に登場する人物の中に、レギュラーになりそうな誰かがいることを意味しています。そのため、乱暴な表現ではありますが、前作までの人物は不要だと作者が判断した可能性もありそうです。あと、その後に登場した人物の中には、明に匹敵する腕力の持ち主がいます。レギュラーになるかは不明ですが、作品の中でかなりの活躍をしているため、今後の活躍も期待できそうです。
初登場した時点で明が丸太を持っていた理由
吸血鬼の中には丸太を持っているぞ、確かに明だと言っている者がいました。この世界では丸太と明はセットになっていると、吸血鬼達に思われているみたいです。笑える設定ではありますが、この部分も作品の魅力です。
どこかで拾った、森に入って切り倒して作製したとは考えにくいです。本土へ渡る最中に海を漂う丸太を拾った、または彼岸島から持ってきたなどは、あり得そうに見えます。どちらにしても確率としては低いので、作者のお遊びが原因かなと見ています。しかも、丸太を使って戦う明はかなり強いので、笑いのネタ以外の意味合いもあります。
タイトル名が彼岸島48日後となっているのは何故か
48日後という部分は納得ができますが、物語は本土が舞台なので、タイトル名に彼岸島を入れているのはやや変です。他の作品の例を挙げてみると、タイトル名を一新させている漫画もあるため、据え置いたのは何か理由がありそうです。
例えば彼岸島48日後ではなく、本土決戦編という名に変更したとします。こうすると、全く新しい漫画のタイプに変更されたとファンが見るため、人気が離れるきっかけになりそうです。それにどんな漫画なのかわからないと、ファンに言われる結果も予想できます。なので、彼岸島という名前を含めておけば、前作から読んでいた人達に、引き続き楽しんでもらいやすいです。これらが理由かなと思います。ただ、彼岸島本土決戦編でも悪くないような気はします。48日後では、前作で雅を倒せなかったのでこうなった、と宣伝しているように見えるので、雰囲気的に良くないです。
前作の最後の47日間を描いている時に、すでに続編を頭に入れていたのも理由に見えます。こちらの物語の最後では明は、雅に扇子で切られて高い所から落下して、バッドエンド的な展開になりました。それに金剛と戦うことがなかったので、これも続編の存在を読者に教えていたのかもしれません。探してみると、伏線と思われる部分はいくつも出ているので、かなり前から続編を作ろうとしていたと判断できます。
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