ディアスポリスのレビュー
深夜にぴったりの世界観
舞台は新宿に存在するという、裏都庁。国籍を問わず、人種を問わず受け入れる、無法地帯である…。
このいかにも怪しげな、ごちゃごちゃしたセットや、ざらざらした画像がいいですね。
深夜ドラマはきちんとコンセプトが確立されていないと、おもしろくないと思うんです。ただ食べているだけでもいいし、何でもいい。とにかく「深夜で面白いことやってる感」はすごく大事だと思います。
なので、ここまで設定をきちんと作り込んでいるのは素晴らしいなと感じました。
ハマケン、整形する
主演の松田翔太さん、その相棒の浜野謙太さんに触れていきたいと思います。
まず、主人公の久保田は、いくつもの言語を操るという特長があります。そこが一番の難所だと思うのですが、自然に演じていたと思います。相当練習したんでしょうか。
ただ、久保田は明かされない過去を抱えており、あまり多くを語るキャラクターではありませんでした。
視聴者としては、主人公のわりに記憶に残っていないんですよね。これはもう俳優の問題ではなく、脚本演出かな…と。
久保田にもっとアクション以外の日常回で、好感のもてる演出があってほしかったです。
久保田より、個人的には浜野さんの演じた鈴木の方が印象深いです。
鈴木はまず、浜野さんに特殊メイクをした状態で初登場します。それが強制的に整形をされることになり、結果浜野さんになるという展開です。
鈴木は多国籍の裏新宿において、チビで出っ歯で眼鏡という、分かりやすすぎる日本人です。浜野さんもコミカルに演じていて、観ていて楽しめました。
セットは厚いが、内容が…
色々な国のエキストラを用意したり、セットを作り込んだり、映像的には、世界観はバッチリです。
ただ、毎回のパターンがちょっとワンパターンだったかなと思います。
なんか血なまぐさい事件が起きて、久保田が解決する、みたいな。
個人的には、血の出方とかも、ちょっとエグい演出に感じました。ただエグくすればいいと思って制作しているのかな、と。そこにフューチャーしすぎで、主人公達の日常回が少な目に感じてしまいます。結果、記憶に残らない。
あと、伝説の殺し屋、ハッチョンベイ。役回りとしてはラスボスみたいな立ち位置でしたが、正直全然強キャラ感がない。
「強いやつが追ってきたワクワク感」が全然ない。だからアクションも盛り上がらない。
アクション自体は俳優も頑張ってるのが伝わるのですが、やっぱり魅力ある敵がいないと成立しないですね。
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