絵がきれい
キャラクターの個性が強い
まずもって16年間生きてきて驚いたことやビビったことが一度もないっていうのがすごいですよね。ましてや女の子ならなおさら驚きですよ。感情がないとかそういうわけじゃないけど、たぶん回りとかにあまり関心がないからなんですかね。驚くとかって興味とか関心がないとそういう感情って芽生えませんよね。何ていうか未来は強いんですよね。守られるタイプの子じゃないというか守られること自体が好きじゃないんでしょうね。女の子は守られて当然!っていう考え方が古いっていうのは分かる気がします。私も未来と同じ考えなのでちょっと似ている部分をみつけちゃいましたね。陵にいたっては未来とは対照的に弱弱しいというか、頼りないっていうか・・・でも未来が結構男勝りな性格なのでバランスとれてるのでいいんですけどね。でもいざという時に頼りになるのですごいしっかりしているというか、物腰柔らかいんですけど戦う時にはすごい真剣な顔でしかも強いのでそのギャップがやばかったと思います。
あとは中盤から出てくるさくらと龍もなかなか個性が強いんですよねー。桜は未来とは違ってザ・女の子って感じなんだけどこの子もこの子で気が強い(笑)可愛い見た目からは想像できないパワフルさがあって未来でさえも押されている部分があるくらいなので相当だなと思いました。龍は最初未来との子ども目当てって感じだったので、見た目とは違って思い切ったことする子だなってびっくりしました。でも一族の血を続けるっていう使命的なものを感じているからこその話だったんですね。そのあとは未来に惚れて一途な感じだったので可愛いキャラだなと思いましたね。なんせ不器用だしローテンションだからすごい不思議キャラみたいな感じで嫌いではなかったですね。
絆の深さを感じた
前世から続く絆って深すぎますよね。こういう生まれ変わりものの話って好きなんですよね。前世で恋人同士で来世でも・・・って現実に起きてほしいですよね。でも前世の話がちょっと悲しかったですね。結ばれて子供までできたのに領羽は呪い殺されちゃうし、美桜も自分で招いてしまったこととはいえ殺されちゃうし・・・大体生まれ変わってとかそういう話って未練が残るような恋っていうのがセオリーですけど、それにしても深すぎるというか色んな事情が複雑に絡み合っててちょっと少女漫画を超えてるっていうかドロドロまではいかなくてもそれに近いような愛憎劇的な感じもあったけど、くまがい先生の描き方のおかげかそこまできつい感じを受けることなく自然と読めたんですよね。なにより前世と全く違う人格でお互い前世の記憶もないのに出会うっていうのがもはや運命ですよね。それだけ前世の時の絆が深かったんだってことが分かるので、ちょっと感動を覚えました。生まれ変わりっていっても人格とかがそのままなるわけじゃないんですね。面影は2人ともあるにはあるけど纏う雰囲気が全然違いましたもん。きっと美桜は自分の心の弱さとかをコンプレックスに感じてたから生まれ変わった未来はそういうメンタル面が強い子になったんでしょうね。でも陵はあんまり変わんない感じでしたね。領羽も基本物腰柔らかい感じだったので、生まれ変わってもさほど別人って感じはなかったですね。未来のこと一筋って感じなのも領羽の時と一切変わってないので違和感ないですよね。ただ領羽は病弱だったけど陵はそんなことなくいたって健康体そのもので生まれてきたのは唯一と言っていいくらい変わったところですかね。
あやかしという割には・・・
妖ってタイトルにつくからには妖怪とかいっぱい出てくるんだろうなって思ってたんですけど、そんなに出てこなかったですね。でも要所要所にはちゃんと出てくるので存在感はありましたね。妖というよりはどちらかというと幽霊系の方が強いイメージでした。人の怨念て怖いですね。死んでもなお成仏できなかった時なんか特に怖いです。時雨がまさにそうでしたからね。ましてや生まれ変わったのが憎い領羽の生まれ変わりである陵の弟として生まれてくるなんて・・・でも優は死んじゃったからそのまま地縛霊として覚醒した後に陵にとり憑くとかほんと恐怖でしかなかったですね。でも陵の心の強さと未来の力で何とかなった時にはほんとに安心しました。絵の描写もすごくきれいなのでどちらかというとおどろおどろしいという感じはなくて、妖のところでさえも美しさを感じちゃうくらいでした。
陵と未来の変化が急激だった
最初と最後では二人の立場が逆転していた気がします。男勝りで守られるような女の子ではなかった未来が陵と出会って、関わるうちに逆に守られる女の子になったし、陵も最初はちょっと頼りなくて大丈夫かなって心配になる感じだったけど、最後の方ではそんなのかけらも感じさせないくらいたくましくなったというか男らしくなったというか、戦いの中で成長したのがうかがえましたね。それに未来よりもちょっと小さかったはずがどことなく身長も伸びていたような気がします。外見も中身も大きく変わった気がしますね。というか未来がほんとに女の子らしくなっちゃって可愛いのなんのって!陵の言葉に顔を赤くして照れながら答える辺りがもうキュンキュンしちゃいました。陵がベタ惚れするのも無理ないですね。同性の私からしてもなかなかのテクを持っているなって思いました。
そして何より陵が急にイケメンになっちゃって、屋上でプロポーズするシーンのところなんかもうあの弱弱しい陵は見る影もありませんでしたね。しゃべり方が敬語だからっていうのもあったのかもしれませんが、大人っぽい印象を受けました。未来がときめくのも分かりますね。
最後の戦いは感動した
時雨との闘いの時はほんとにハラハラドキドキしてちょっとほろりと涙が出るようなそんな回でしたね。美桜のことをずっと好きだった時雨だけど、その想いが叶わずに美桜の憎しみのこもった舞で狂っちゃったがために好きな人を自分の手にかけてしまうなんて切なすぎます・・・。時雨自身はそんなことを望んでいたはずはないと思います。それに美桜も時雨の気持ちには気づいていたみたいだし。だけどどうあっても時雨の気持ちには応えられない、それを伝えられずに死んでしまったがためにこの悲劇が生まれてしまったんだと思うと切ないの一言に尽きますね・・・未来が時雨にとどめを刺すときに涙ながらに言った言葉には美桜の気持ちが痛いくらい伝わってきました。
「時雨
・・・・・あなたは周囲からの信頼が薄かった・・・・
未桜の力を利用し認めさせることで地位や権力をものにした薄情な人
でも本当は・・・・・・・
本当は弱くて怖がりで
未桜を憎悪で支配させることでしかふりむかせられない不器用な人・・・・・
嶺羽みたいになりたかったんだよね
・・・未桜は気付いてたよ時雨に想われていることを
あなたを憎いと思いながらもずっと謝ってた心の中で
『その気持ちに応えられなくて
あなたをそこまで追い詰めてしまってごめんなさい』
って」
美桜は時雨のことを憎みながらも罪悪感を抱いていたんですね。想いに気付いていながら何もしなかった自分を責めていたんだと思います。時雨自身もそんな美桜の気持ちを知って我に返ったと思います。
未来の言葉に心救われて今度こそ成仏してくれたと思います。きっと次に転生してくるときにはあの憎しみであふれた時雨はきっといないんでしょうね。
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