豪華共演!だけではない。最上級のバランスと世界観こそ、歴史に残る作品。 - ローグ アサシンの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

豪華共演!だけではない。最上級のバランスと世界観こそ、歴史に残る作品。

4.04.0
映像
4.0
脚本
3.0
キャスト
5.0
音楽
3.0
演出
4.0

目次

2大アクションスターの豪華共演!

ジェイソン・ステイサム、ジェット・リーによる、アクションスターの豪華共演作品。今でこそ、様々な形で、コラボレーションをされていますが、その初期の頃のような作品になると思います。もちろん、この映画の醍醐味は、この2大スターの共演です。アクションシーンもさることながら、「復讐」という、ある意味ベタなテーマを取り上げることにより、余計なことを考えず、スター共演を楽しめたことは、とてもいい表現だと思いました。ある意味で、シンプルで奥深いストーリーなので、変に肩に力を入れずに観ることができます。アクション映画が求められている所はそこで、「あー、スッキリした」というカタルシスを得ることが出来ることが大事。それ以外の伏線や、ややこしい人間相関図などは、そのスッキリ感を邪魔してしまいます。折角の素材なのに、それが邪魔をして、「結局、何を表現したいのか」が分からない、また、ぼやけてしまう作品が多いのも事実。しかし、この作品は、そういった面倒が排除されていて、とてもスッキリ観ることができました。また、主演の二人。アクションスターならでは、何か、感じ入る所があるのか、随所で、お互いを想いやるような、演技を越えた所にあるシンパシーのようなものを感じられる場面もありました。また、敵対するヤクザの存在も、1対1というシンプルすぎないストーリー展開を回避するのに、一躍買っている感じました。それは、ある意味で、2人のアクションスターを俯瞰で見ることが出来る、「映画を見ている側の視点」が一つ入っているのかな、と思います。1対1の戦いでは、「どっちが応援するか。どっちが勝つか」という、とてもチープな内容になってしまいます。しかし、そこに1枚、別の組織が入ることにより、一呼吸おけるというとか、ちょっと離れたところから、展開を観ることが出来ると思います。ヤクザが、組織、という点も、いいところだと思います。ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、共に、他作品でもそうですが、「孤高」というイメージが強い。故に、個人と組織という図式が出来た時、より明確にそのイメージと、作品の中での立場が明確になったように感じます。ただ、スターがアクションをする。それだけでは、映画ファンとしては、物足りない。でも、余計な要素は入れてほしくない。その、ちょうどいいバランス感覚を、ヤクザはやってくれたのかもしれません。とてもいいエッセンス、名副菜になったと思います。全体的に、バランスの取れた名作。そして、そのバランスを取った、スタッフ、監督、演者達の素晴らしさも、一緒に感じられたら、より楽しめる作品だと思います。

エクスペンダブルズの前哨戦!

豪華スター共演の代名詞ともいえる作品、「エクスペンダブルズ」。この二人も、3作目で、共演しています。ジェット・リーは、ドラゴンキングダムにて、ジャッキーチェンとも共演していますが、やはり、ジャッキーとは違い、この作品ならでは、この二人の共演だからこそ、醸し出せる映像的な雰囲気があると思います。脚本やカメラワークだけでなく、主演の人が作り上げる、なんともいえない、ダークでアンダーグランドな雰囲気は、作品の独特の味となり、観る人の心に漂っていきます。ただのアクション映画でなく、人間的なやりとりや、また、そういった細かい所を意識させず、すっと、ストーリーを展開させていくところも、スター性が成せる業。「この二人が出演するのだ。余計なところはいらない」そう言えるのは、そういった表現が出来ることが、「この作品ならでは」なのだと思います。

後に、エクスペンダブルズ等、豪華共演作品に続いていきますが、それぞれ、俳優の方のカラーや空気感が作り上げる空間は、他の作品では味わうことが出来ません。安っぽい、コラボだけの作品でなく。ここでしか見られない、二人のアクションワールド。それだけで、映画の歴史に残る作品だと思います。このレビューを書いていて。また、観なおしたくなりました。その際は、別の、共演作品も合せてみてみたいと思います。

映画名、そのものが、CMになる!

何より、驚いたのは、映画作品そのものの以前に、この「ローグアサシン」というタイトルで、あるテレビ番組の提供の欄に、名前があったことです。映画会社や、映画館ではなく、「映画の名前そのものがCMに出る」ということは、当時、とても斬新であったと思います。化粧品を例に取ると分かりやすいですが、「化粧品メーカー」の名前ではなく「化粧品のそのもの」がCMの画面に出ることは、いまだ、無いことだと思います。それだけ、この映画に、たくさんの人が期待して、よりたくさんの人に見てほしいという願いがあったからだと思います。このローグアサシン以降は、そのような広告手法も増えてきたのでしょうが、そのパイオニア的存在になったことも、とても印象深い作品となりました。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

ローグ アサシンが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ