見終わった後からじわじわくる
タイトルから思えば
深見じゅんさんの原作のドラマ化というのも興味をそそられる一つでもあるが、何よりもタイトルがとても印象的で、昼ドラのような泥々をイメージしていた。
当時石田ひかりという女優さんにもちょっと違和感がありつつも、どういう演技をするんだろう。そんな色々と想像できないタイトルに興味が惹かれました。
当時はトレンディドラマがほとんどで、当然これも恋愛ものが絡んでいるのだろう。
そんな先入観からあまり期待をしていなかったのもあります。
今思えば女性の奥底にある底力というか、したたかさというかある意味武器を最大限に生かしたドラマです。
お茶くみ仕事からの脱却?
当時はまだ、女性の仕事と言われるのはお茶くみ。というのが、ごくごく普通の考え方でした。
自分も学生ながら、お茶くみは女性の仕事と、と同姓ながらも当たり前のように感じていました。
それに、疑問や不満を表すドラマなのかとも思っていました。それが、思いのほかマイナスイメージのお茶くみが、あれよあれよとのしあがっていく主人公が、見るたびに強くなっていく様。
プラスな考えから、どんどん上がっていく痛快なドラマへと変わっていく。
始め想像していた泥々としたタイトルのイメージとはだんだんかけ離れていく実感を得られました。
ものは考えよう、賢く、軽快に
お茶くみから、情報を得、さらに上の人物ともかかわり合いを持つ。そんな些細なきっかけから、いつの間にか上に引き上げられていく。
「お茶くみなんて」っていってる場合ではないのかもしれない。
お茶くみと言う与えられた仕事を、スキルアップしたら、どんどん仕事がもらえるようになり、下に見ていた上司といつの間にか対等になり、そして、越えていく。
ドラマだから、現実ではあり得ない。そうかもしれないけど、実はそうでもないかもしれない。
与えられたものをこなし、それを踏み台にしてさらに次の仕事をもらう。どの仕事でもあり得るステップの方法なのではないかと思うとなんだか、仕事をするのが楽しくなる。そう思わせるドラマでした。
また、主人公がそれを意図としてやっているのかいなかが、はっきりしないところも、悪く言えば腹黒く、相手の隙間に入り込むすべは、悪女。なのかもしれない。
男性からみての悪女(わる)というよりは、女性からみた悪女(わる)という言葉のニュアンスかもしれない。聞こえは悪いかもしれないが、ある意味こうなれば、上に上がれる。いい意味で賢い女性の気がして私はならない。ドラマのなかには男性に女性的なアプローチをすると言う行為はないだけに、かわいさや弱さも全面には出てこない。だけど、「悪い女だ。」という言葉が思わず出てしまう。
いい意味で、見終わったあと深くうなずかざる終えない。痛快なドラマ。
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