脱獄劇の裏に強い夫婦愛
ただの脱獄劇ではない
まず、ここで重要なのは犯罪を犯して服役、そして脱獄。という普通の脱獄の話ではないということです!
ある家族の母親(主人公の妻)が急に家に来た警察に連れて行かれてそのまま服役。
主人公もわけがわからないまま、むしろ妻もわけがわからないまま連れていかれます。
終盤まで真実はわかりませんが、真実は冤罪なんです。
妻は殺人を犯していないのに、捕まり、服役している。
そしてそんな母親を持つ息子は学校で噂になりうまくやっていけず、塞ぎがちに…。
そんな状況に耐えられなくなった主人公が妻を脱獄させる決意をする…というお話です。
強い、強い夫婦愛、家族愛
驚くべきは夫の妻に対する強い夫婦愛。
なんと妻が殺人を犯したかどうかを妻に一言も聞かず、ただただ「妻は無実」と信じて疑いません。
妻が無実であるという証拠が出ず、起訴されてからもです。
私にも夫がいますが私なら「あんた…ほんまにやったん?」って絶対に聞いちゃうと思います…(なぜか関西弁)
「やってない!信じてくれ!」と言われても「あんた…家族にも嘘ついて…!」と思ってしまうかもしれません(笑)
そして妻もまた夫、そして息子を愛していました。
無茶だと思われた夫の脱獄計画ですが、危険を冒しながらも信じてついていきました。
そこには強い息子への愛を感じました。
頭の良い主人公ならではの計画的な脱獄、そして強運が彼らをハッピーエンドへ導く
教師をしているという主人公。
脱獄の極意を悪い人に教えてもらい、そこから入念に計画を立てていきます。
時には痛い思いをする事もあり、お金を騙し盗られる事もあった。
それでも諦めない強い信念が強運を呼んだのでしょう。
何度も「あーここで見つかる!」と思うところギリギリでセーフだったり、タイミングが良くてバレなかったり。
意外と堂々としてるとバレないんですよね。
警察の姿を見て急に方向変換したりが一番怪しいですもんね。
しかし主人公家族がヒッチハイクで老夫婦を乗せて検問を乗り切るシーンがあるのですが、個人的にとても怖いと思いました。
この家族がたまたま冤罪での脱獄だったから良かったものの(主人公はいつ捕まってもおかしくない事してますが)本当だったら知らずに脱獄犯の車に乗る事になっていたと思ったら怖すぎる。
ヒッチハイクの際、格安で乗せてくれたら何かあると思って良さそうですね…。
ハッピーエンドで終わっていいの?
終盤に真実のストーリーが流れます。
その時にやっと冤罪が判明するのです!(遅い!遅いよ!)
そして主人公家族は無事に誰にも追われない地に到着。
妻と息子の幸せそうな寝顔を撮影する幸せな主人公でした…。
で終わりなんですがこれでいいの?と思ってしまいました。
なぜなら脱獄をする際、主人公はかなりの悪行を行いました。
だから主人公の最初の顔つきと最後の顔つきが全然違いますよね。
でも私はこれからずっとハッピーに暮らす未来が想像出来ません。
脱獄経験者が言っていたいつ追われるかわからない恐怖、常にびくびくして過ごすなんて心臓に悪いですしね。
そして今はまだよくわかっていない息子が負った傷の大きさ。
よくわかっていないけど、両親が大変な事をしたのはわかっていると思います。
これから成長していくにつれどう思うか…
長い目で見るとハッピーエンドではないかなと個人的には思います。
主人公は罪を償って生きていかないといけませんね。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)