菅野美穂ー豊富な複数の表現力 - 曲げられない女の感想

様々な表現力を持つ俳優、菅野美穂の考えつくされた行動力

菅野美穂の作品は個人的に大好きです。なぜだろうと自分に問いかけてみて1番に感じる事は、彼女の演技がその与えられた役を完璧に自分の物にしているということです。過去の作品になりますが、「イグアナの娘」の彼女はまだ幼さを感じました。ストレートの長い髪の毛に清楚なワンピースを着て、鏡の中の自分を見つめるシーンが忘れられません。なぜあんな悲しい表情を見せるのだろうかと私は初めて彼女の演技を見て涙が止まりませんでした。

菅野美穂と言ったら衝撃的だったヘアーヌード写真集を出したという事実がその後の俳優人生を大きく変化させました。「大奥」では色気のある知的な雰囲気を創り出していました。「イグアナの娘」の彼女とはまるで別人でした。それぞれの作品の中で全ての人間になり切り不思議な気持ちにさせてくれました。菅野美穂とは一体何者なのか、一体”誰”なのだろうかという不思議な気持ちと俳優人生にかけた彼女の行動、演技全てにおいて尊敬する思いでいっぱいです。

”曲げられない女”は”強い女”である

常に真っ直ぐでその役になりきりまるでその人物は、菅野美穂本人なのではないかと疑うくらいです。他人になりきることはこういった職業でなければなかなか味わえないでしょう。だから、菅野美穂がどれだけ凄い俳優かを一般人の主婦が述べたところで世の中がどう動くとかそんな事は起きませんから、思い切って彼女への気持ちを述べたいと思いました。初めて彼女を知ったのが「イグアナの娘」で主演だったのを見た時でした。正直、顔はそこまでタイプではなかったのに何故か彼女の演技に吸い込まれていました。どんな経験をしたらあの様な切なく悲しい表情が出来るのだろうと、私は中学生ながら感じていました。特に将来の夢が俳優や舞台役者ではなかったのに”菅野美穂”という女性が気になって仕方がありませんでした。そんな気持ちにさせるのは彼女の魅力そのものであると思います。彼女の作品はどれも菅野美穂の存在感が非常に強いです。今回のこの作品では色気など感じずただ真面目で言葉は悪いが”つまらない女性”という印象を受けました。ストーリーが展開されていくにつれて彼女が視聴者に伝えたい想いがどんどん伝わってきました。彼女は決してつまらない女性ではなかったという事です。一つの事に何年も自分の全てを費やすことがどれだけ凄い事か、どれだけ難しい事かを改めて知らされました。自分にもまだ頑張り続けたかった事があったのではないかと自然と自分の過去と今の生き方を見直したい気持ちになりました。あともう少し踏ん張って努力する事が出来たら今の自分は少し変わっていたのだろうかと真剣に思います。「曲げられない女」は、「強い女」だと思います。諦めることが出来ず、自分の力を信じ続けている姿を見ると守ってあげたいという気持ちにもなります。夢が叶うまで応援したいという強い気持ちになりました。こんな女性はきっと男性からみたら魅力的なのだろうと思います。自分がもしここまで一つの目標に向かって頑張っていたら、子どもにも胸を張って接する事が出来たのにと後悔している私がいます。私の人生は全くの予定外です。こんな自分では胸を張って歩けないとまで感じていました。しかし、三人の子どもたちは母である私を大好きでいてくれて、私がいなければ生きていけないそうです。私の事を必要としている子どもたちがいます。私を必要と感じているのです。私は「強い女」ではなかったのに。

母親となった菅野美穂の演技と表現力

菅野美穂の存在感を、薄める様な俳優は現れるのだろうかと考える事があります。彼女の作品は必ずしもヒットし注目を浴びます。彼女は結婚し子どもも生まれて母となりました。私と同じです。母になると今までに感じなかった思いが浮んできたりします。きっと彼女は母親となり俳優としての人生を更に深めることに成功するでしょう。「曲げられない女」の頑張る姿と落ち込む姿を見ていると励まされます。頑張れ！と励まされているような気になってパワーを貰いました。諦めなければその夢に近付くことが出来ます。そう教えられました。私は今の家族がみんな健康でいられてみんなが楽しいと思える人生を送って欲しいというのが願いです。以前の私なら痩せられますようになどと言っていたでしょう。でも結婚して子供が出来て大分考え方が変わりました。見る世界が変わったのです。きっと菅野美穂も子供を生む前とは俳優としての視点が変わり視野も広くなっただろうと思います。女性は母親になると色々な事が変化していきます。曲げたくなくても曲げなくてはならない瞬間もあります。母親になるという事は自分よりも大切で守るべき存在がいるという事です。とても幸せな事です。母親となった菅野美穂がこれから先どのような演技を見せてくれるかがとても楽しみです。