珠玉の戦隊モノ作品
正義の味方はヒモだった!?
主人公サンレッドには、ヒーローのテンプレ的な要素は一切ありません。
むしろ成人男性のスペックとしては最低ランクの「無職・ガラが悪い・ヒモ」という三重苦です。
卑怯な手を使ったり、無駄にプライドが高い一面があったり・・・ヒーローどころか人として残念な存在なのにナゼか憎めない。
良い意味での人間臭さが彼の一番の魅力なのかもしれません。そこにサンレッドの恋人・かよ子さんも惹かれているのでしょう。
悪の組織・フロシャイムは町内会の人気者
この作品に欠かせないキャラクター「ヴァンプ将軍」彼が主人公といってもいい位に存在感があります。
見た目は悪の組織にピッタリな風貌なのにオネエ口調なのが笑えます。
性格は母性愛溢れるお母さんキャラ。すごく面倒見がよく、部下(手下)思いで世話好きです。
敵であるハズのサンレッドにも親切に世話をやき、恋人・かよ子さんともすぐ仲良くなりました。町内会からの信頼も厚く地域の人気者です。
ヤンチャだった新人の戦闘員だってヴァンプ将軍にかかれば簡単に更生してしまいます。彼のような人が上司ならいいのに・・・と読みながら何度も思いました。
ご近所さんにいてもいいですね。少しお節介なところが厄介かもしれませんが(笑)
ヴァンプ将軍以外の戦闘員達もいい味を出していて、面白いキャラばかりです。
悪の組織のイメージとはかけ離れた彼らの存在がこの作品のいいスパイスになり、最高のお笑い漫画に仕上げています。サンレッドのクズさ加減も彼らのおかげで緩和され、大事なお笑い要素になっていると思います。
悪とは、正義とは何なのか
私達には悪者は邪悪で正義の味方は清廉潔白というステレオタイプなイメージがあります。でも、悪者だって正義の味方にだってヴァンプ将軍やサンレッドのように違う一面があるんですよね。
これって他のことにも当てはまります。どうしても外見や職業などで判断し勝手な思い込みで人を型にはめてしまいがちです。人間には表の顔と裏の顔があって、それぞれに家族がいて人生がある。当たり前なことなのに、ついつい忘れてしまいます。
この作品を読んでいるとそういう思い込みがいかに意味のないものか思い知らされます。説教臭さなんて一切ないし、道徳的な部分もない、ただただ面白いギャグ漫画です。でも、読んでいると分厚い偏見の壁をぶっ壊されるんです。
ゲラゲラ笑って、凝り固まった心をほぐしてくれる私にとっては精神安定剤のような作品です。
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