下級生組が加わったことで起きた変化 - ひだまりスケッチ×SPの感想

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ひだまりスケッチ×SP

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映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
5.00
音楽
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下級生組が加わったことで起きた変化

4.54.5
映像
4.0
ストーリー
4.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
4.0

目次

乃莉となずな

本作は第3期「ひだまりスケッチ×☆☆☆(ほしみっつ)」の特別編のさらに後の特別編という位置づけになっている。そこで、第3期から登場してきた下級生組二人が本シリーズにもたらした変化について考えてみる。まずは下級生組二人を簡単に紹介する。一人目は103号室に住むことになった乃莉。関西出身で、思っていることが口に出てしまうタイプの女の子。それゆえなずなにも傷つける発言をすることもある。が、根は優しく、引っ込み思案ななずなをフォローする場面もある。また、照れ屋で褒められることに弱いという一面を持つ。パソコンを持つ彼女の入居を機にひだまり荘ではインターネット回線が導入されたが、実際にインターネットが使える環境にあるのは乃莉だけである。だから乃莉のシンボルマークがパソコンのマウスになっている。二人目は203号室に住むことになったなずな。おそらくひだまり荘の入居者初の地元民であり、ひだまり荘周辺の地理ややまぶき高校の事情には他の住民の誰よりも詳しい。また、これもおそらくひだまり荘初の普通科に属する生徒である。引っ込み思案で卑屈な言動が多いが放っておけない雰囲気があり、助け船を出されることも多い。ほかに、寝相が悪い、料理が苦手など。なずなのシンボルマークは彼女のトレードマークである髪飾りで束ねた後ろ髪。ちなみに乃莉もそうだが、寝るときは髪を下している。髪を下すと特に乃莉のほうは見た目の印象が大きく変わる。

4人から6人に

この二人が加わったことでエピソードの内容にどんな変化があったのかを見ていく。まずは当たり前だが、二人それぞれが関わるエピソードが出てきたことである。なずなの両親がなずなの手料理を食べにくるエピソード、乃莉が怖い夢を見て心配して声をかけてきてくれた沙英とひともんちゃく、というエピソードなど。また、インターネットやパソコンにかかわる内容のエピソードも現れるようになった。テレビでクイズの答えをネットで紹介していることを知って確認したり、ピザをネットから注文したり、トマト料理の会の内容をパソコンでまとめたり。地元民のなずなが加わったことで、地元に関するエピソードも出てきた。そして、これがかなり大きな変化と言えると思われるが、普通科のなずなの、美術に関わらない人から見た視点のもののとらえ方が出てきたことだ。今までは美術科の人間しかいなかったから美術にかかわろうとする人間の視点でのとらえ方ばかりだった。日常のいろんなことを美術に関連付けて考えるわけであるが、はじめのうちは奇抜な発想だと思っていたが、第2期まで見ているといつしかそれが当たり前になってしまう。だからなずなの普通科視点が新鮮なのである。“普通の人間の発想だ”と感じ、うれしくなる。住民全員が集う場面では当然6人になり、今までよりにぎやかになった。ツッコミ役も今まではほぼ宮子だけだったが、一言多いタイプの乃莉の登場でこちらも幅が広がった。そして智花との関係である。同年代の乃莉なずなと3人はすぐに打ち解けあった。智花と二人がメールでやりとりする場面も出現し、智花が姿は見せないにしてもかかわってくるエピソードや場面が増えた。

ゆのの立場と成長

下級生組が登場してもっとも振る舞いが変化したのが主人公ゆのだろう。それまでは先輩に甘えているだけでよかったものが、後輩ができて、自分はもっとしっかりしなくては、と思うようになった。しかも、先輩風を吹かせたいという思いも持ち合わせているので、無理に背伸びをして失敗する、という場面が下級生が登場して間もないころにはたびたび見られた。それはそれで面白く、また視聴者にとっても「後輩ができたころにはあるある」と共感した人も多かったはずである。その後は自分の今の力量を見定めて、等身大の振る舞いをするようになっていく。しかしその中で確実に成長していき、良き先輩として自然にふるまうことができていく。その成長を見ていけることも、本作の大きな魅力の一つであろう。なお、宮子も同じ立場ではあるのだが、彼女はあくまでマイペース。後輩ができても先輩風を吹かすことなくヒロさんたちにツッコミをしたり食べ物の提供を受けたりと通常営業で過ごしている。実に宮子らしい振る舞いである。ゆのと宮子の下級生組に対する振る舞いの違いを楽しむのもこの作品の醍醐味の一つだろう。

変わらない団欒

ここまでは二人が加わって変わったところばかり述べてきたが、最後に変わっていない部分をみていく。それはズバリ、団欒シーンである。先に述べたように腹ペコの宮子が二人の加入後もこれまで通り振る舞うので、ことあるごとにヒロさんの部屋でお食事会という状況は変わりがなく、当然のように6人そろっての食事会&団欒となるわけである。ヒロさんの部屋が“食糧庫”と称される場面があるが、それがよく分かる。食べるシーンも相変わらず多い。“食テロアニメ”というレッテルは第4期終了まではがされることはないのである。

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