愛ゆえの復讐劇で切なくなるドラマ
単なる復讐劇ではない
弟を殺された憎しみを持った成瀬と過去の犯罪を背負いながら仕事に生きる芹沢の二人を中心に繰り広げられる復讐劇です。ひとことで言うと復讐劇ですが、それは成瀬の優しさや過去の苦しみ故のものでとても切なくなります。人間の復讐心や心の闇の部分にスポットを当てて物語が動いていくのですが、物語が作りこまれていてどんどん感情移入してしまいます。過去の過ちを浄化するように無我夢中で生きている芹沢と、憎しみと愛の為に冷静に復讐を果たす成瀬。対象的な2人ですが、両人物に共感せざるをえない部分があり、綺麗なだけじゃない人間の闇の部分に魅力を感じてしまう作品です。韓国版の作品は見ていませんが、ストーリーは同じなんでしょうか。こういった内容の作品では、ストーリーが同じでもキャストによってかなり感じ方が変わってくると思うので、見てみたくなりました。
スピード感がかなり早い作品
私はこのドラマを放送当時リアルタイムで見ていましたが、ストーリーの展開がかなり早く1時間がかなりあっという間に感じました。かといって物語を詰めすぎているというわけではなく、ターゲットごとの伏線を回収しながら次の展開へ進んでいく感覚が、視聴者を飽きさせず物語を充実させていると思いました。
キャストがはまり役で素晴らしい
成瀬を演じる大野さん、芹沢を演じる生田さんを始め、出演キャストが皆はまり役だったと思います。大野さんは連ドラ初主演でしたが、シリアスな表情と演技に引きこまれてしまいました。大野さんといえば、嵐の中でもぼーっとしているイメージで、そういったシリアスイメージは皆無だったのですが、この作品では彼は完全に「魔王」でした。特に、無表情の中に垣間見える切なさや、涙のシーンはかなり綺麗で演技力のある俳優さんなんだと認識しました。どの登場人物も色々なものを抱えていて、その闇の部分に人間らしさを感じ、キャラクター設定もかなりはまっていたと感じました。
最終回の衝撃と止まらない涙
物語が毎回凄まじく動くので、最終回はどうなるんだろうという予想をしながら見ていましたが、いい意味で裏切られました。ラストのシーンは、衝撃・切なさ・儚さが入り混じって涙無しには見られないものになっています。決してハッピーエンドではないし、きれいな終わり方では無いのかもしれないけど、味わったことのない感情が溢れて、それこそがこの作品の魅力なんだろうと思いました。
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